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概要

リレー コイルのインダクタンスを知ると、電源遮断時にコイルから放出されるエネルギの量がわかります。

リレーを使用するとき、リレー コイルのインダクタンスを知りたいことがよくあります。そうすれば、電源遮断時にコイルから放出されるエネルギの量がわかるからです。

 

アーマチュアが吸着しているときのコイル インダクタンスは、吸着していないときよりも大きくなります。その理由は、インダクタンスの変化が増分透磁率 (µ) に対して比例し、磁気回路経路の長さ (l) に対して反比例するためです。吸着していないアーマチュアの磁気回路内のエア ギャップは、µ を減少させ、l を増加させます。もちろん、インダクタンスが大きいほど、電源遮断時にコイル回路に放出されるエネルギの量も多くなります。

 

インダクタンスはコイル電圧によっても変化します。これは透磁率が磁化力によって変化するためです。磁化力はコイル電圧によって決定されます。したがって、実際のリレー給電をシミュレーションした状況下で (すなわち、定格電圧と定格電流で) インダクタンスを測定することは、回路設計者にとって大きな意味があります。

 

アーマチュアが吸着しているときのインダクタンスは、コイル電力が遮断された瞬間の実際の印加状態を表します。コイル電力が遮断されると、コイルで逆電圧 (-e = L(di/dt)) が発生し、それがスイッチ回路にフィードバックされます。エネルギの大きさによっては、この電圧サージは、リレー コイルを制御するスイッチの寿命や動作特性に悪影響を及ぼす可能性があります。(スイッチを保護する方法については、13C3264「コイル抑制はリレーの寿命を縮める」を参照してください。)

 

DC コイルのインダクタンスは、オシロスコープを使用して L = tR 法によって測定します。この方法では、アーマチュアが吸着した状態を物理的に維持しながら定格 DC 電圧をコイルに印加する必要があります。値 t は、コイル電流がその定常状態値である 0.623 まで増加するのにかかる時間です。R は、オーム計によって測定されたコイルの DC 抵抗 (オーム単位) です。

 

AC コイルのインダクタンスは、コイル電圧および電流の測定と電力計による実際の電力消費の測定によって算出できます。次の式の VA はコイル電圧とコイル電流の積で、W は電力計が示した電力です。R は、測定された DC 抵抗 (オーム単位) です。

計算式 1.

電力計が手元にない場合は、デュアルトレース オシロスコープを使用することでインダクタンスを求めることができます。オシロスコープへの一方の入力は電流プローブから供給します。この方法では、適切な周波数の定格電圧がコイルに印加され、印加された電圧とコイル電流の時間のずれ (t) がオシロスコープによって測定されます。インダクタンスは上記の式で計算します。

計算式 2.

t = コイル電流がコイル電圧より遅れる時間差

図 1.

図 1.

リレー コイルのインダクタンスを知ると、電源遮断時にコイルから放出されるエネルギの量がわかります。

リレーを使用するとき、リレー コイルのインダクタンスを知りたいことがよくあります。そうすれば、電源遮断時にコイルから放出されるエネルギの量がわかるからです。

 

アーマチュアが吸着しているときのコイル インダクタンスは、吸着していないときよりも大きくなります。その理由は、インダクタンスの変化が増分透磁率 (µ) に対して比例し、磁気回路経路の長さ (l) に対して反比例するためです。吸着していないアーマチュアの磁気回路内のエア ギャップは、µ を減少させ、l を増加させます。もちろん、インダクタンスが大きいほど、電源遮断時にコイル回路に放出されるエネルギの量も多くなります。

 

インダクタンスはコイル電圧によっても変化します。これは透磁率が磁化力によって変化するためです。磁化力はコイル電圧によって決定されます。したがって、実際のリレー給電をシミュレーションした状況下で (すなわち、定格電圧と定格電流で) インダクタンスを測定することは、回路設計者にとって大きな意味があります。

 

アーマチュアが吸着しているときのインダクタンスは、コイル電力が遮断された瞬間の実際の印加状態を表します。コイル電力が遮断されると、コイルで逆電圧 (-e = L(di/dt)) が発生し、それがスイッチ回路にフィードバックされます。エネルギの大きさによっては、この電圧サージは、リレー コイルを制御するスイッチの寿命や動作特性に悪影響を及ぼす可能性があります。(スイッチを保護する方法については、13C3264「コイル抑制はリレーの寿命を縮める」を参照してください。)

 

DC コイルのインダクタンスは、オシロスコープを使用して L = tR 法によって測定します。この方法では、アーマチュアが吸着した状態を物理的に維持しながら定格 DC 電圧をコイルに印加する必要があります。値 t は、コイル電流がその定常状態値である 0.623 まで増加するのにかかる時間です。R は、オーム計によって測定されたコイルの DC 抵抗 (オーム単位) です。

 

AC コイルのインダクタンスは、コイル電圧および電流の測定と電力計による実際の電力消費の測定によって算出できます。次の式の VA はコイル電圧とコイル電流の積で、W は電力計が示した電力です。R は、測定された DC 抵抗 (オーム単位) です。

計算式 1.

電力計が手元にない場合は、デュアルトレース オシロスコープを使用することでインダクタンスを求めることができます。オシロスコープへの一方の入力は電流プローブから供給します。この方法では、適切な周波数の定格電圧がコイルに印加され、印加された電圧とコイル電流の時間のずれ (t) がオシロスコープによって測定されます。インダクタンスは上記の式で計算します。

計算式 2.

t = コイル電流がコイル電圧より遅れる時間差

図 1.

図 1.