製品
ストーリー
夜間の都市のハイウェイの航空写真と、自動運転車の検知範囲を示す画像。
夜間の都市のハイウェイの航空写真と、自動運転車の検知範囲を示す画像。
自動運転とは何かを理解する最も簡単な方法は、現在の運転方法と比較することです。

2022年3月1日

自律車両の世界には、刺激を受けることがたくさんあります。 また、自律車両が主流になるには多くの課題も待ち受けています。解くべき誤解や、克服すべき技術的ハードルなどです。TE の Transportation Solutions 部門の副社長兼最高技術責任者である Ralf Klädtke は、完全自動運転へと向かう自動車業界の直面する課題とトレンドをはっきりと意識しています。全 3 回にわたるインタビュー シリーズの第 1 回では、この進化を推し進める原動力と、自律車両に対する現在の障害と一般的な視点の両方について Ralf が語ります。

 

Ralf Klädtke のインタビューを読んで、お聞きください。

インタビューを聞く

21:16

自動車の自律性を形成する要因に関する理解を深めてください。

受信トレイでインタビュー アラートを受け取る

TEのプライバシーポリシーとTE.com 利用規約に同意してください。

上記のエラーを確認してください

お客様にご提供頂く個人情報は、米国のTE Connectivityに転送され、お客様に必要な情報またはサービスを提供するために使用いたします。詳細は プライバシーポリシー をご確認ください。

法令順守のため、同意いただける場合、左のチェックボックスにチェックをしてください。

1

自動運転設計の現況について

数年前を振り返ってみると、誰もが、ロボタクシーに乗って人工知能に「次の劇場に行きたい」と告げたらすべて自動的に事が進むことを夢見ていたものでした。ゆったりと映画を楽しみ、目を閉じる。今となってみれば、予想以上に時間がかかっていると言わざるを得ません。多くの開発が行われ、多くの労力と時間が費やされてきました。しかし、天候、雪、混合交通などの問題は、私たちの多くが考えていたよりもはるかに強力でした。結果として、全体に安全を重視して進められており、予想以上の時間がかかっています。  

 

 

2

レベル 5 の自動化を実現するうえでの大きな障壁とは 

レベルのことがよく話題に上るようですので、レベルとは何かについて簡単に説明します。レベル ゼロとは、車を自分で運転することです。「フットオフ」 (足を離す) と略されるレベル 1 では、車線を横切るときに自動車がハンドルを切り、車線内に留まり続けることができます。また、目の前に自動車が現れると減速が開始されます。自動でブレーキがかかり、設定したレベルの速度まで再び加速されます。これがレベル 1 です。レベル 2 は「ハンズオフ」 (手を離す) です。これは部分的な自動化であり、車両がステアリングを操作し、加速と減速も特定の条件で操作します。レベル 2 までは運転手が責任を負うことになりますが、レベル 3 からは次元が変わります。レベル 3 では、自動車、ソフトウェア、自動車のインテリジェンスに責任が移ります。このレベル 3 は「アイズオフ」 (目を離す) ということになります。つまり、運転手は運転を注視している必要はありませんが、アラートが発生した場合は制御できるようにしておく必要があります。悪天候の場合や安全でない状況では、代わりに運転してください。レベル 4 になると運転手は必要なくなります。まさに「マインドオフ」 (考えない) です。運転手は必要ありません。車両が運転することができますが、運転条件は限られています。そして、レベル 5 では完全に運転手が不要になります。あらゆる運転条件で完全に自動化された状態を指します。  

 

 

3

自律車両の開発を阻む障壁に対処するうえでエンジニアができることとは 

想像をはるかに超えた数の障壁があると思います。1 つ、2 つと数えてみると、4 つの障壁が頭に浮かびます。第一に、技術的な障壁があるでしょう。定義されていないシナリオに直面した場合の障壁です。特に都市部では、子供たちが路上で遊び、自転車や歩行者が通りを渡っています。混合交通も問題です。パリで自動車が走っているところを想像してみてください。5 車線で、たくさんの車が出入りしています。人工知能に訓練させることが困難な、極めて漠然としたシナリオです。混合交通での技術的な障壁を克服するのは簡単ではありません。もうひとつの障壁は、責任です。前にも言いましたが、レベル 2 からレベル 3 に上がると責任は自動車メーカーに移行します。これは厄介な話です。多様な気象条件下で危険な状況に陥るとしたら、事故の責任を引き受けようとする自動車メーカーがあるでしょうか?ご存知のように、米国のような国では裁判で非常に高額な罰金が課されることがあります。 

 

すなわち、これはリスクを引き受けるということであり、高レベルの自動運転を阻む障壁となっています。別の障壁として、人間の障壁があります。要するに、自動運転に対する心の準備です。私は、今でも 60% くらいの人は自動運転を信用していないと考えています。したがって、自律モードへの切り替えに前向きであるかどうかにかかわらず、人間の障壁は存在します。そして、最後の障壁として無視できないのはコストだと思います。乗用車でゆったりと楽しむために莫大な追加料金を支払おうと思う人はあまりいません。自動運転のレベルが高くなると、計算要件やセンサ数の増加、センサの融合、人工知能が話題になりますが、それらは無料ではありません。すなわち、ここに一定の障壁が存在します。料金を払ってもらえる自動運転とはどのようなものでしょうか。安全性の話であれば、乗用車の安全性のためにお金を払おうとする人はいます。しかし、ゆったりするための自動運転については、それは未だ議論の余地がある障壁になっています。  

 

 

4

気象条件が自律車両の設計に与える影響とは 

それは長い道のりになると思います。現在では、カリフォルニアのような完璧な晴天に恵まれていて道路にきれいな標識があるなら、自動運転車は道なりに進んで良好な視界を容易に確保するでしょう。カメラがはるか先まで見通します。コンピューターが反応するだけの十分な時間もあるでしょう。この場合、遅延時間は重要ではありません。しかし、天候が大雪に変わったら、甘く見ることはできません。人間の脳は、つまり、よく訓練された運転手は、大雪が降っている状況で道路のラインが見えなくなっても運転できます。どこもかしこも雪だらけだとします。それでも、経験豊富な運転手なら、一定程度まで速度を落として可能な限り安全に運転します。大雨や大雪などの条件を克服することは容易ではありません。そのための鍵となるのが、当社の一連のセンサです。常に進化を続けています。カメラがあれば視界は良好ですが、雪が降るとカメラには限界があります。レーダはカメラより強力であり、センサ融合がかかわってきます。これが 1 つの行程と言えます。現在のところ、自動車メーカーは安全を第一に考え、そのようなさまざまな気象条件下ではあまり大胆な進展をさせず、安全を優先させるように努めているようです。 

 

 

5

自動運転の価値提案と自動運転の道のりとの違いとは

乗用車に目を向けると、現在、安全を指向するトレンドが支配的になっているようです。のんびりと映画を観ながら完全自動運転を利用するのはリスクが伴うからです。しかし、乗用車のレベル 2 プラスと言えば、自動運転です。これは非常に強力であることがわかっています。このテーマに関する成長率は年間 20% を超えていますが、これは緊急ブレーキにセンサが使用されているためです。駐車場から出ると、センサが左右を観察します。横断する交通はないか。通常なら運転手が見ることができない領域に目を向けます。これがレベル 2 プラスのポイントです。安全性が向上するとともに、依然として運転手が信頼性を保ちます。これは利用者にとって大きな利点であり、そのために支払わなければならない金額はそれほど多くありません。この場合、安全性と運転の快適性は大幅に向上しますが、追加のコストはそれほどかかりません。商用トラックの場合は、話が別になります。レベル 2 プラスは、市内での運転と運用において安全性が高まります。それはそれでよいのですが、本当の商業的利益、つまり 45% の節減は完全自動運転に移行したときにもたらされます。したがって、商用トラックの場合、完全自動運転すなわち無人運転の段階に移行することが関心の対象になります。それこそが、米国などの自律型貨物ネットワークが推進しているポイントです。それはすでにフェニックスからフロリダ州オーランドで見ることができます。米国では自律型貨物ネットワークが確立されており、高度に管理された好天候の環境で高速道路を走るトラックはレベル 5 の完全自動運転で走行できるようになっています。その結果として商業的な節減を得られます。これにはそれだけの価値があります。なぜなら、45% の節減総額分を、センサの大幅な増加、処理能力の向上、計算能力への投資に回す動機となるからです。 

 

 

6

自動運転の自動車、トラック、公共交通網のためにインフラが設計される日は来るのか

実際のところ、まだ混合交通という課題があるので、少し期待をしていました。混合交通が存在している状況で、無謀な運転手がいることを想像してみてください。混合交通の中に無謀な運転手がやってきて、あなたが自動運転トラックと自動運転車を利用しているとします。すると、自動運転車の進路を横切っただけで自動運転車は緊急ブレーキをかけるでしょう。ニュー デリーにいて、多くの車があちこちに出没し、クラクションを鳴らして互いに合図している状況なら、自動運転車は最も遅く通行することになります。ブレーキがかけられます。安全が優先されることになるのです。これが自動運転車での移動に困難が伴う環境です。ですから、自律交通の展開を考えると、2000 万人が住む未来のメガシティを想定できます。人口 2000 万人のメガシティで駐車場を見つけるのは難しいでしょう。メガシティの中枢は自動運転だと言ってもよいと思います。そこで、当社は自動乗用車をサービスとしてのモビリティ (MaaS) として運用開始しており、それらはすべてメガシティ内で問題なく機能しています。駐車場の必要はなくなります。自動車を呼べばよいのです。混合交通が存在せず、自動運転車のみである限り、都市の中枢部でスムーズかつ安全に走行します。これは成功するはずです。もう 1 つのポイントは、ハイウェイ パイロットです。これが次の課題になると思います。ハイウェイでは、トラックや乗用車が混合交通であっても一方向に走行します。一方で、シナリオは十分に訓練されているため、天候が良ければ、優れた安全性を実現可能だと思います。降雪や大雨の話は止めておきましょう。それらはかなり厄介です。  

 

 

7

自動車の自律性を可能にするために必要な技術とは

自動運転とは何かを理解する最も簡単な方法は、現在の運転方法と比較することだと思います。現在、私たちはどのように運転しているでしょうか?私たちには 2 つの目、つまり 2 つの視覚センサがあります。私たちは、運転手に応じてさまざまな IQ レベルの脳を持っています。照明があり、ワイパーがあり、24 時間年中無休で運転できます。2 つの視覚センサを自動運転に置き換えて考えると、自動運転車にはカメラが備わっていますし、レーダや LIDAR レーザー スキャナもあるかもしれません。生産者によって異なるさまざまな IQ レベルの人工知能もあります。そして、デジタル照明があれば、より優れた性能を発揮するはずです。しかし、ここでのポイントはそれぞれのセンサが大きく異なることです。そのため、気象条件が良いときはカメラがかなり優れています。標識を読むことができ、道路上のあらゆる種類の情報を読むことができます。しかし、レーダについて言えば、雨や霧の中を通した動きの検出に適しています。繰り返しになりますが、LIDAR にはレーザー ポイントがあるだけです。これは 3 次元の物体を示します。範囲や、物体自体が表示されます。しかし、200 メートルに達すると、いくつかの点しか見えません。したがって、重要なのは、センサを組み合わせて使用することです。100% の物体認識を実現するには特定のセンサを組み合わせることが望まれます。ライトとカメラから始まり、次にレーダが動きを検出します。    

 

つまり、夜間で見えないような遠方の動きを知ることができます。それは道路を横切るビニール袋かもしれません。レーダにはわかりません。ビニール袋なのか。何なのか。鹿なのか、それとも自転車に乗った人なのか。ライトとカメラを使って、何が横切っているのかを特定する必要があります。同様に、特定の状況では LIDAR を使用できますが、特定の範囲に限られます。したがって、目の前にどのような物体があるか、安全運転をしているかどうか、衝突を回避できるかどうかを100% の確率で判断するために、さまざまなセンサを使用することが重要です。また、これはさまざまな気象条件下で行われます。そして、あらゆるセンサには長所と欠点があります。たとえば、正面にある太陽の高度が非常に低くてカメラの範囲が非常に狭くなっている場合、自動運転車が車線の間に見えます。左右に揺れているのは、前方の視界が狭くなりすぎているからです。したがって、これは長い行程が必要なことであり、経験を積んだ人間のように人工知能が自動車を運転するためには多くの走行距離と訓練が必要です。

 

 

今回のインタビューはいかがでしたか?元の記事をお読みください。
工場で協働ロボットを操作するエンジニア。
予想どおりには進まない (しかし、安全性は高い) 自律車両への道のり

自動車の自律性の実現競争において、乗用車、トラック隊、ロボタクシーのいずれが勝つかは重要ではありません。重要なのは、持続可能性と車道の死亡者ゼロを実現する自立性の開発に向けて私たち業界が全体的アプローチを取ることです。

自動運転のレベル 5 を達成するということは、当初想定していなかった課題に取り組むということです。それらについてご覧ください。
夜間の都市のハイウェイの航空写真と、自動運転車の検知範囲を示す画像。
夜間の都市のハイウェイの航空写真と、自動運転車の検知範囲を示す画像。
自動運転とは何かを理解する最も簡単な方法は、現在の運転方法と比較することです。

2022年3月1日

自律車両の世界には、刺激を受けることがたくさんあります。 また、自律車両が主流になるには多くの課題も待ち受けています。解くべき誤解や、克服すべき技術的ハードルなどです。TE の Transportation Solutions 部門の副社長兼最高技術責任者である Ralf Klädtke は、完全自動運転へと向かう自動車業界の直面する課題とトレンドをはっきりと意識しています。全 3 回にわたるインタビュー シリーズの第 1 回では、この進化を推し進める原動力と、自律車両に対する現在の障害と一般的な視点の両方について Ralf が語ります。

 

Ralf Klädtke のインタビューを読んで、お聞きください。

インタビューを聞く

21:16

自動車の自律性を形成する要因に関する理解を深めてください。

受信トレイでインタビュー アラートを受け取る

TEのプライバシーポリシーとTE.com 利用規約に同意してください。

上記のエラーを確認してください

お客様にご提供頂く個人情報は、米国のTE Connectivityに転送され、お客様に必要な情報またはサービスを提供するために使用いたします。詳細は プライバシーポリシー をご確認ください。

法令順守のため、同意いただける場合、左のチェックボックスにチェックをしてください。

1

自動運転設計の現況について

数年前を振り返ってみると、誰もが、ロボタクシーに乗って人工知能に「次の劇場に行きたい」と告げたらすべて自動的に事が進むことを夢見ていたものでした。ゆったりと映画を楽しみ、目を閉じる。今となってみれば、予想以上に時間がかかっていると言わざるを得ません。多くの開発が行われ、多くの労力と時間が費やされてきました。しかし、天候、雪、混合交通などの問題は、私たちの多くが考えていたよりもはるかに強力でした。結果として、全体に安全を重視して進められており、予想以上の時間がかかっています。  

 

 

2

レベル 5 の自動化を実現するうえでの大きな障壁とは 

レベルのことがよく話題に上るようですので、レベルとは何かについて簡単に説明します。レベル ゼロとは、車を自分で運転することです。「フットオフ」 (足を離す) と略されるレベル 1 では、車線を横切るときに自動車がハンドルを切り、車線内に留まり続けることができます。また、目の前に自動車が現れると減速が開始されます。自動でブレーキがかかり、設定したレベルの速度まで再び加速されます。これがレベル 1 です。レベル 2 は「ハンズオフ」 (手を離す) です。これは部分的な自動化であり、車両がステアリングを操作し、加速と減速も特定の条件で操作します。レベル 2 までは運転手が責任を負うことになりますが、レベル 3 からは次元が変わります。レベル 3 では、自動車、ソフトウェア、自動車のインテリジェンスに責任が移ります。このレベル 3 は「アイズオフ」 (目を離す) ということになります。つまり、運転手は運転を注視している必要はありませんが、アラートが発生した場合は制御できるようにしておく必要があります。悪天候の場合や安全でない状況では、代わりに運転してください。レベル 4 になると運転手は必要なくなります。まさに「マインドオフ」 (考えない) です。運転手は必要ありません。車両が運転することができますが、運転条件は限られています。そして、レベル 5 では完全に運転手が不要になります。あらゆる運転条件で完全に自動化された状態を指します。  

 

 

3

自律車両の開発を阻む障壁に対処するうえでエンジニアができることとは 

想像をはるかに超えた数の障壁があると思います。1 つ、2 つと数えてみると、4 つの障壁が頭に浮かびます。第一に、技術的な障壁があるでしょう。定義されていないシナリオに直面した場合の障壁です。特に都市部では、子供たちが路上で遊び、自転車や歩行者が通りを渡っています。混合交通も問題です。パリで自動車が走っているところを想像してみてください。5 車線で、たくさんの車が出入りしています。人工知能に訓練させることが困難な、極めて漠然としたシナリオです。混合交通での技術的な障壁を克服するのは簡単ではありません。もうひとつの障壁は、責任です。前にも言いましたが、レベル 2 からレベル 3 に上がると責任は自動車メーカーに移行します。これは厄介な話です。多様な気象条件下で危険な状況に陥るとしたら、事故の責任を引き受けようとする自動車メーカーがあるでしょうか?ご存知のように、米国のような国では裁判で非常に高額な罰金が課されることがあります。 

 

すなわち、これはリスクを引き受けるということであり、高レベルの自動運転を阻む障壁となっています。別の障壁として、人間の障壁があります。要するに、自動運転に対する心の準備です。私は、今でも 60% くらいの人は自動運転を信用していないと考えています。したがって、自律モードへの切り替えに前向きであるかどうかにかかわらず、人間の障壁は存在します。そして、最後の障壁として無視できないのはコストだと思います。乗用車でゆったりと楽しむために莫大な追加料金を支払おうと思う人はあまりいません。自動運転のレベルが高くなると、計算要件やセンサ数の増加、センサの融合、人工知能が話題になりますが、それらは無料ではありません。すなわち、ここに一定の障壁が存在します。料金を払ってもらえる自動運転とはどのようなものでしょうか。安全性の話であれば、乗用車の安全性のためにお金を払おうとする人はいます。しかし、ゆったりするための自動運転については、それは未だ議論の余地がある障壁になっています。  

 

 

4

気象条件が自律車両の設計に与える影響とは 

それは長い道のりになると思います。現在では、カリフォルニアのような完璧な晴天に恵まれていて道路にきれいな標識があるなら、自動運転車は道なりに進んで良好な視界を容易に確保するでしょう。カメラがはるか先まで見通します。コンピューターが反応するだけの十分な時間もあるでしょう。この場合、遅延時間は重要ではありません。しかし、天候が大雪に変わったら、甘く見ることはできません。人間の脳は、つまり、よく訓練された運転手は、大雪が降っている状況で道路のラインが見えなくなっても運転できます。どこもかしこも雪だらけだとします。それでも、経験豊富な運転手なら、一定程度まで速度を落として可能な限り安全に運転します。大雨や大雪などの条件を克服することは容易ではありません。そのための鍵となるのが、当社の一連のセンサです。常に進化を続けています。カメラがあれば視界は良好ですが、雪が降るとカメラには限界があります。レーダはカメラより強力であり、センサ融合がかかわってきます。これが 1 つの行程と言えます。現在のところ、自動車メーカーは安全を第一に考え、そのようなさまざまな気象条件下ではあまり大胆な進展をさせず、安全を優先させるように努めているようです。 

 

 

5

自動運転の価値提案と自動運転の道のりとの違いとは

乗用車に目を向けると、現在、安全を指向するトレンドが支配的になっているようです。のんびりと映画を観ながら完全自動運転を利用するのはリスクが伴うからです。しかし、乗用車のレベル 2 プラスと言えば、自動運転です。これは非常に強力であることがわかっています。このテーマに関する成長率は年間 20% を超えていますが、これは緊急ブレーキにセンサが使用されているためです。駐車場から出ると、センサが左右を観察します。横断する交通はないか。通常なら運転手が見ることができない領域に目を向けます。これがレベル 2 プラスのポイントです。安全性が向上するとともに、依然として運転手が信頼性を保ちます。これは利用者にとって大きな利点であり、そのために支払わなければならない金額はそれほど多くありません。この場合、安全性と運転の快適性は大幅に向上しますが、追加のコストはそれほどかかりません。商用トラックの場合は、話が別になります。レベル 2 プラスは、市内での運転と運用において安全性が高まります。それはそれでよいのですが、本当の商業的利益、つまり 45% の節減は完全自動運転に移行したときにもたらされます。したがって、商用トラックの場合、完全自動運転すなわち無人運転の段階に移行することが関心の対象になります。それこそが、米国などの自律型貨物ネットワークが推進しているポイントです。それはすでにフェニックスからフロリダ州オーランドで見ることができます。米国では自律型貨物ネットワークが確立されており、高度に管理された好天候の環境で高速道路を走るトラックはレベル 5 の完全自動運転で走行できるようになっています。その結果として商業的な節減を得られます。これにはそれだけの価値があります。なぜなら、45% の節減総額分を、センサの大幅な増加、処理能力の向上、計算能力への投資に回す動機となるからです。 

 

 

6

自動運転の自動車、トラック、公共交通網のためにインフラが設計される日は来るのか

実際のところ、まだ混合交通という課題があるので、少し期待をしていました。混合交通が存在している状況で、無謀な運転手がいることを想像してみてください。混合交通の中に無謀な運転手がやってきて、あなたが自動運転トラックと自動運転車を利用しているとします。すると、自動運転車の進路を横切っただけで自動運転車は緊急ブレーキをかけるでしょう。ニュー デリーにいて、多くの車があちこちに出没し、クラクションを鳴らして互いに合図している状況なら、自動運転車は最も遅く通行することになります。ブレーキがかけられます。安全が優先されることになるのです。これが自動運転車での移動に困難が伴う環境です。ですから、自律交通の展開を考えると、2000 万人が住む未来のメガシティを想定できます。人口 2000 万人のメガシティで駐車場を見つけるのは難しいでしょう。メガシティの中枢は自動運転だと言ってもよいと思います。そこで、当社は自動乗用車をサービスとしてのモビリティ (MaaS) として運用開始しており、それらはすべてメガシティ内で問題なく機能しています。駐車場の必要はなくなります。自動車を呼べばよいのです。混合交通が存在せず、自動運転車のみである限り、都市の中枢部でスムーズかつ安全に走行します。これは成功するはずです。もう 1 つのポイントは、ハイウェイ パイロットです。これが次の課題になると思います。ハイウェイでは、トラックや乗用車が混合交通であっても一方向に走行します。一方で、シナリオは十分に訓練されているため、天候が良ければ、優れた安全性を実現可能だと思います。降雪や大雨の話は止めておきましょう。それらはかなり厄介です。  

 

 

7

自動車の自律性を可能にするために必要な技術とは

自動運転とは何かを理解する最も簡単な方法は、現在の運転方法と比較することだと思います。現在、私たちはどのように運転しているでしょうか?私たちには 2 つの目、つまり 2 つの視覚センサがあります。私たちは、運転手に応じてさまざまな IQ レベルの脳を持っています。照明があり、ワイパーがあり、24 時間年中無休で運転できます。2 つの視覚センサを自動運転に置き換えて考えると、自動運転車にはカメラが備わっていますし、レーダや LIDAR レーザー スキャナもあるかもしれません。生産者によって異なるさまざまな IQ レベルの人工知能もあります。そして、デジタル照明があれば、より優れた性能を発揮するはずです。しかし、ここでのポイントはそれぞれのセンサが大きく異なることです。そのため、気象条件が良いときはカメラがかなり優れています。標識を読むことができ、道路上のあらゆる種類の情報を読むことができます。しかし、レーダについて言えば、雨や霧の中を通した動きの検出に適しています。繰り返しになりますが、LIDAR にはレーザー ポイントがあるだけです。これは 3 次元の物体を示します。範囲や、物体自体が表示されます。しかし、200 メートルに達すると、いくつかの点しか見えません。したがって、重要なのは、センサを組み合わせて使用することです。100% の物体認識を実現するには特定のセンサを組み合わせることが望まれます。ライトとカメラから始まり、次にレーダが動きを検出します。    

 

つまり、夜間で見えないような遠方の動きを知ることができます。それは道路を横切るビニール袋かもしれません。レーダにはわかりません。ビニール袋なのか。何なのか。鹿なのか、それとも自転車に乗った人なのか。ライトとカメラを使って、何が横切っているのかを特定する必要があります。同様に、特定の状況では LIDAR を使用できますが、特定の範囲に限られます。したがって、目の前にどのような物体があるか、安全運転をしているかどうか、衝突を回避できるかどうかを100% の確率で判断するために、さまざまなセンサを使用することが重要です。また、これはさまざまな気象条件下で行われます。そして、あらゆるセンサには長所と欠点があります。たとえば、正面にある太陽の高度が非常に低くてカメラの範囲が非常に狭くなっている場合、自動運転車が車線の間に見えます。左右に揺れているのは、前方の視界が狭くなりすぎているからです。したがって、これは長い行程が必要なことであり、経験を積んだ人間のように人工知能が自動車を運転するためには多くの走行距離と訓練が必要です。

 

 

今回のインタビューはいかがでしたか?元の記事をお読みください。
工場で協働ロボットを操作するエンジニア。
予想どおりには進まない (しかし、安全性は高い) 自律車両への道のり

自動車の自律性の実現競争において、乗用車、トラック隊、ロボタクシーのいずれが勝つかは重要ではありません。重要なのは、持続可能性と車道の死亡者ゼロを実現する自立性の開発に向けて私たち業界が全体的アプローチを取ることです。

自動運転のレベル 5 を達成するということは、当初想定していなかった課題に取り組むということです。それらについてご覧ください。