
医療革新に対応するコイルの設計
このケース スタディでは、当社のエンジニアリングに関する専門知識とコイル製造能力により、医療機器 OEM が重要な設計上の課題を克服し、救命用途向けに最適化された性能と信頼性を実現した様子をご紹介しています。
課題
低侵襲デバイスの大手 OEM であるお客様は、構造的完全性を損なうことなくデバイスの柔軟性を高めることができる超高精度の金属コイルを必要としていました。そのコイルは、耐久性・放射線不透過性・生体適合性など、医療処置に不可欠な要素に関する厳しい性能要件を満たす必要がありました。
主な課題は次のとおりです。
- 厳しい公差内で正確な内径と外径を持つコイルの設計
- 一貫性のある機械的強度を維持しながら
優れた柔軟性を実現 - X 線透視下での視認性を実現する放射線不透過性の確保
- クリーンルームへの組み込みや
完成品へのアセンブリに適したコイルの供給
ソリューション
当社のエンジニアリング チームは複数段階の精密製造プロセスを導入し、数十年にわたるコイル製造の専門知識を活用して次の課題に対処しました。
高度な巻線プロセス: お客様の用途で必要とされる正確なピッチと寸法公差を実現するため、カスタム コイル巻線技術が開発されました。
熱処理と応力緩和: 独自の熱プロセスを適用し、
残留応力を除去しながら
柔軟性と耐久性を高めました。
材料の専門知識: ステンレス鋼とプラチナ/タングステン合金を使用して、
強度・放射線不透過性・生体適合性のバランスを取りました。
クリーンルーム アセンブリ: コイルは ISO 認証クリーンルーム内のサブアセンブリに組み込まれ、
医療用途の無菌性および品質コンプライアンス
を確保しました。


実証された能力
マイクロ コイル巻線: 厳格な公差制御で
直径約 約 38.1 µm (0.0015 インチ) に製造された細密ワイヤ コイル。
高精度研磨: コイル加工の前にワイヤを研磨することで
均一性と性能を最適化。
カスタム熱処理: 独自のプロセスにより、
柔軟性の向上とスプリング バックの最小化を実現。
クリーンルーム製造: ISO クラス 7 の条件下でコイルの医療用サブアセンブリへのアセンブリ。
放射線不透過性合金: プラチナ/イリジウムおよびタングステン材料を組み込み、 手技中の高い視覚化を実現。
成果
最終的なコイル ソリューションは、次のことを実現しました。
- 柔軟性の最適化 – 蛇行性体組織でも
デバイスを通過可能 - 優れた放射線透過性 – 視認を確保し、正確な位置決めを実現
- 安定した強度と信頼性 – OEM の耐久性基準に適合
- 検証済みのクリーンルーム アセンブリ – 医療機器の規制要件への準拠を保証
この協力の成功により、OEM が抱えるコイル製造に関する当面の課題が解決されただけでなく、精密設計の医療用コンポーネントの信頼できるパートナーとしての TE の位置づけがさらに強化されました。