アーキテクチャにおける
パワー コネクタの保護
TE のエンジニアが、活線挿抜に対応する方法や、パワー コネクタ端子に対する損傷作用を軽減する方法について語ります。
データセンターの接続性におけるイノベーション
今日の設計課題のひとつとして、熱性能を管理しながら高電力データ ラックのコンピューティング性能を向上させることが挙げられます。この課題を解決するには、定格熱条件において最高速度で動作するよう設計された電気部品や光学コンポーネントが必要です。
データセンターでもっと多くのデータを処理したいという要求は年々増加しており、それに伴ってコンピューティング能力に対するニーズも高まっています。 このようなコンピューティング能力の増加を求める声に後押しされて、高電力データ ラックの市場は活況を呈し、データセンターの効率化が進められています。
今後数十年間、データセンターの電力使用量は増加すると予想されています。大規模なデータセンターでは電力使用量の低減が望まれるかもしれませんが、データセンター設備による電力消費量は増加し続けます。こうしたデータセンターでは常に、電力消費を可能な限り抑えながら、世間一般に要求されている性能のバランスをとることが求められます。
今日の施設で使用されている典型的な強制換気データ ラックは、最大 15 キロワットの電力を消費します。ただし、この数字は、収容する機器の性能が向上することで 30 ~ 50 キロワットまで増加する可能性があります。電力レベルが向上すると通常は温度も高くなり、データ ラック内のコンポーネントの寿命に直接的な悪影響を及ぼします。熱設計が最適化されていない場合、熱に弱いコンポーネントが短期間で故障するようになり、システムが停止するおそれがあります。
これらのリスクをより効率的に対処する方法は、電力負荷ピーク時の電力損失 (消費電力) と高速伝送のバランスをとるため、データセンター アーキテクチャに投資することです。そのためには、定格熱条件において最高速度で動作する電気部品や光学コンポーネントを慎重に選ぶ必要があります。
数十年前、データセンター設備の予想ライフサイクルは約 20 年でした。今日では、性能に対する要求と技術サイクルの短期化により、標準的な稼働要件は 10 年以下まで低下しています。技術向上サイクルが 1 周するたびに、ほとんどの事業者は設備をアップグレードしてデータセンターの効率を可能な限り高めます。このライフサイクル短縮のトレンドは今後数年間続くと予想されます。
TE のエンジニアが、活線挿抜に対応する方法や、パワー コネクタ端子に対する損傷作用を軽減する方法について語ります。
長期にわたる効率を達成するには、 通常、設計時に熱環境、機器設計、ラック構成を考慮する必要があります。これらの側面はすべて、データセンターの効率とエネルギ利用に影響を与えます。非効率はすぐさま機器の故障に陥る可能性があります。
一般に、データ ラックの保護を検討する際はまず、そのデータ ラックがどの程度の熱を効果的に除去でき、データセンター全体でどの程度の熱を管理できるかについて、限界を見極めます。ほとんどのデータ ラックは電力容量を基準に設計されています。つまり、個々のデータ ラックは、戦略的に配分された電力容量を元に熱効率が考えられています。
通常、この容量は、データセンターの電力許容量と、データ システムから除去しなければならない熱または熱損失電力の量に基づき算出されます。
熱性能を最適化するため、 システム設計者は、データセンター アーキテクトやその他のチームの仕事だけでなく、チップ設計者や基板設計者の仕事についてもよく考える必要があります。そうすることで、データ ラックとその構成要素をすべてのレベルで十分に冷却するにはどうすればよいかがわかります。
これに関して、システム設計者は解決すべき最適化の問題を定義しなければならないこともあります。たとえば、あるソリューションでは液体冷却が必要となる場合があります。これは一般にデータセンターを冷却する効率的な手段ではありますが、必要なハードウェアが多く、故障の可能性も高いため、実装コストが他の冷却方法よりも高額になります。
信頼性を最適化するには、エアフローの向上や冗長性の追加に加えて、よりハイエンドのコンポーネントを使用することも得策です。コストを最適化するには、冷却により多くの費用をかけ、ライフサイクルの短いコンポーネントを使用することを選択肢に入れます。
最適化に伴う懸念のひとつに、どの要素を慎重に計画し、どこを妥協するかを区別することが挙げられます。たとえば、コロケーション データセンターでは、熱管理において一般に最も優先されるのは、集約スペースで適切に冷却できるようにラックを設計することです。
既存の建物を改修するときの課題は、レイアウトが熱効率にどの程度影響するかを見極めることです。たとえば、都市部にあるデータセンターを改修する際は一般に、コンパクトかつ小型で高密度に配置されたデータ ラックを選び、高いエネルギ密度に対処できる熱管理ソリューションを追加する必要があります。
TE の CTO 兼 VP である Erin Byrne が、クラウド コンピューティングに関する自身の見解と、次世代の設計アーキテクチャに影響を与える関連の高いメガトレンドについて語ります。
TE のプロダクト マネージャである Sara Smith が、ハイ パフォーマンス インターコネクトに関するよくある質問に答えます。
TE では、ソリューションを開発する際にお客様の設計のさまざまな側面を考慮します。 つまり、当社製の部品には、熱性能要件と全体的なシステム設計に対応する能力があります。当社が提供するソリューションは幅広く、ほとんどのデータセンター事業者が期待しているシステムの信頼性と伝送効率 (熱性能、機械的性能、電気特性を含む) を達成するよう設計されています。
サーマル ブリッジ I/O コネクタ
TE の入出力 (I/O) コネクタは、システム レベルで I/O トランシーバの冷却要件に対応するよう設計されています。サーマル ブリッジは、プラガブル I/O モジュールから効果的に熱を抽出し、その熱を液体冷却などの効率の高い冷却ソリューションに結合します。サーマル ブリッジの重要な特徴は、その適合性にあります。一般に、熱伝導率を犠牲にすることなく、寸法公差のばらつきを吸収できます。
従来のインタフェース材料と比較して、当社のサーマル ブリッジは、インタフェース全体の熱を移動できるという点で 一段と高い効率化を実現します。フレキシブルな性質と、インタフェースの熱抵抗が全般的に低いという特性を兼ね備えており、熱に弱い光学コンポーネントを熱から守ることで、寿命を延ばすことに大きく寄与します。
ICCON 製品シリーズ
当社の ICCON 製品シリーズは、ピンおよびソケット コネクタで構成されています。これらの製品は、ますます狭くなるスペースでより多くの電流を流せるように設計されています。一般に、ピンおよびソケットの嵌合では、複数の接点により抵抗損失が少なくなります。損失が少ないと発熱量が下がり、システムから除去しなければならない熱が少なくなります。
データセンターの電力は増加し続けているため、通常は、電力を消費する方法だけでなく、機器に電力を供給する方法にも対策を講じる必要があります。ICCON 製品ラインは、大量の電力損失が起こらない効率的な方法で電力を供給するよう設計されており、データセンターで熱が増加しても電力の損失を抑えることができます。
サーマル ブリッジは、サイズの異なるギャップを超えて効率的に熱を伝導しながら、周囲のコンポーネントにかかる力を制御します。その仕組みをご覧ください。
当社は、I/O 分野で幅広い熱製品も提供しています。 それぞれのデータセンターにどの製品が適しているかは、設備の熱戦略によって異なります。従来の冷却システム向けには、スイッチやアダプタ ネットワーク インタフェース カードで使用できるさまざまなヒート シンクをご用意しています。TE のヒート シンクは、薄膜技術に基づくより効率の高いものに移行しており、ヒート シンクとプラガブル モジュール間の接続の熱抵抗を改善します。また、個々のお客様の熱戦略に対応するヒート シンク技術の開発にも取り組んでいます。
電力がデータセンターに入る地点から電力が使用される時点までのマクロ レベルで見ると、供給される電力は実際の使用地点に達するまでに 10 ~ 15% 損失します。この電力損失は一般に熱の発生源となり、発生した熱は全体的な冷却システムによって再び冷却する必要があります。TE では、高速コネクタとバスバー コネクタの効率を向上させることに重点を置いています。
データセンターの熱要件に合わせてカスタマイズされたデータ システムを開発するには、困難な熱問題を解決するために設計され、最低限の要件を確立する業界標準に準拠して開発されたコンポーネントや設計上の専門知識を持つパートナーを見つける必要があります。TE はお客様のパートナーとして、お客様が稼働要件に効果的に対処できるよう支援いたします。また、最適な性能を達成するためにお客様のシステム設計をカスタマイズする力もあります。
システム設計エンジニアとしての経歴全体を通して、彼は常にお客様の立場に立って効率向上と事業成長を実現する高速通信システムを設計してきました。TE Connectivity (TE) のフェロー兼システム アーキテクチャ・伝送特性グローバル チームのリーダーとして、Dave はチームの技術的指揮をとり、メンバーが市場競争力の維持に必要な技術的能力を獲得できるよう支援しています。さらに、30 件以上の特許を保有しており、さまざまな技術記事を執筆しながら、TE の製品イノベーションに向けた技術推進要因 (標準、シリコン技術、データセンター設計など) の開拓も担当しています。