
産業
バッテリー パック コネクタ
バッテリー コネクタの構成および専門用語を紹介します。
モバイル機器が小型化し、バッテリー パックに使用できるスペースが限られてきていることから、 電流容量のバランスを取り、より高い電流を確保し、充電時間を短縮する必要性が重要視されるようになっています。当社の製品ポートフォリオは設計エンジニアのさまざまな要件に対応するものであり、メイン PCB とバッテリー パック間での信頼性の高い接続に必要な要素を提供します。
嵌合バッテリー コネクタ

信頼性の高いソリューションを作成するには、適切なバッテリー コネクタを選択することが重要です。 部品は、コプラナー、平行、または垂直の基板と嵌合できます。選択を行う際には、すべてのピンおよびソケットの長さがその嵌合相手を超過することがないよう、図面を参照してください。電圧キーがある場所を判別するには、PCB を確認します。コネクタは PCB のエッジに対して下向きになります(以下の図、および顧客図面の推奨 PCB レイアウトを参照してください)。
嵌合構成
ピンの数が嵌合の数と同じである必要があります。以下の表は、リセプタクル属性と嵌合するプラグ属性の組み合わせを示しています。対応する属性を持つ製品を選択してください。

1.) コプラナー
プラグとリセプタクルの両方を嵌合すると、PCB は同じ平面上に配置されます。
コネクタのタイプ | マウント角度 |
PCB マウント スタイル |
電圧キー | 嵌合 ↔ |
コネクタのタイプ | マウント角度 |
PCB マウント スタイル |
電圧キー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
プラグ | R/A | TH または SMT | 左 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | R/A | TH または SMT | 右 (X ピン) |
プラグ | R/A | TH または SMT | 右 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | R/A | TH または SMT | 左 (X ピン) |

2.) 平行
プラグとリセプタクルの両方を嵌合すると、PCB は交わりません。
コネクタのタイプ | マウント角度 |
PCB マウント スタイル |
電圧キー | 嵌合 ↔ |
コネクタのタイプ | マウント角度 |
PCB マウント スタイル |
電圧キー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
プラグ | R/A | TH または SMT | 左 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | R/A | TH または SMT | 左 (X ピン) |
プラグ | R/A | TH または SMT | 右 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | R/A | TH または SMT | 右 (X ピン) |
プラグ | 垂直 | TH または SMT | 左 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | 垂直 | TH または SMT | 左 (X ピン) |
プラグ | 垂直 | TH または SMT | 右 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | 垂直 | TH または SMT | 右 (X ピン) |

3.) 垂直
プラグとリセプタクルの両方を嵌合すると、PCB は直角に交わります。
コネクタのタイプ | マウント角度 |
PCB マウント スタイル |
電圧キー | 嵌合 ↔ |
コネクタのタイプ | マウント角度 |
PCB マウント スタイル |
電圧キー |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
プラグ | R/A | TH または SMT | 左 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | 垂直 | TH または SMT | 左 (X ピン) |
プラグ | R/A | TH または SMT | 右 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | 垂直 | TH または SMT | 右 (X ピン) |
プラグ | 垂直 | TH または SMT | 左 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | R/A | TH | 左 (X ピン) |
プラグ | 垂直 | TH または SMT | 右 (X ピン) |
↔ | リセプタクル | R/A | SMT | 右 (X ピン) |
電力専門用語
電流容量
指定の大気条件下でその絶縁またはジャケット温度の限界を超えずに絶縁導体が伝送できる最大電流。
上昇温度
無負荷状態から全電流負荷までの端子の温度の変化。TE 製品は EIA 364-70A/IEC 60512-5-1 に基づき摂氏 30 度で試験されます。
定格軽減
高温での操作に必要な出力電力に対して指定された低減量。システムとバッテリー パックの間に複数の端子を装荷する際には、定格軽減が必要です。

ピン機能の例 - 通常、バッテリー パック相互接続には、システムとバッテリー パックの間にパワーの入出力フローが必要です。例えば、8 ポジション コネクタを使用する場合は、システムからバッテリー パックへのパワー フロー用に 3 つのピン、およびバッテリー パックからシステムへのパワー フロー用に別の 3 つのピンが用意されています。通常、アース (右側の丸印) と信号要件 (中央のピン) の両方、および黒色のキーイング機能 (左側の丸印) に対していくつかのピンが用意されています。
キーイング機能
キーイング機能は、同じサイズとタイプのコネクタを嵌合するための機械的配置です。
グラウンディング ピン
通常、一番長いピンは電気デバイスからアースへの電流経路を提供する導体として使用されます。
定格電流
バッテリー パック コネクタの最大電流容量は、ピンあたりの最大電流に端子数を乗算するけでは計算できません。 TE の 108 の仕様にリストされている最大電流は、単一端子を使用した場合の容量です。したがって、パワーの伝送に多数の端子を使用した場合、個々の端子の最大電流容量は減少します。
例
この例では、1 つの端子が 7 A を伝送することが想定されています。合計電流は入出力両方のパワー容量であるため、1 方向の最大電流を計算するには合計電流を 2 で除算します。
定格電流は、ヘッダとバッテリー ハウジング端子の両方の同等のワイヤゲージに基づいています。同等のワイヤゲージとは、導体の定格電流が銅線ワイヤの定格電流と同等であることを意味します。このような導体は、ヘッダ アセンブリ端子用の銅線 PCB トレース、またはバッテリー ハウジング アセンブリ端子に使用される導電性ストリップである可能性があります。
装荷済み端子 |
電流/ピン (定格軽減) |
合計電流 |
---|---|---|
1 | 7 | 7 |
2 | 6.8299 | 13.6598 |
3 | 6.1754 | 18.5262 |
4 | 5.572 | 22.288 |
5 | 5.0134 | 25.067 |
例えば、定格電流 7 A を必要とする 1 つのみのヘッダ アセンブリ端子に対して PCB トレースが望ましい場合は、EIA RS-214 を参照して、周囲温度からの摂氏 30 度の温度上昇に対して 0.4mm2 の同等のワイヤゲージが必要かどうかを確認できます。上の例では 1.57mm PCB が使用されています。PCB 厚 0.8 mm 以下および導体厚 0.108mm 以上に対して、15 パーセントのさらなる定格軽減 (電流について) が推奨されます。
よくある質問
順序付けとは何ですか?
所定の順序で一連の操作を実行するプロセス。ブレード接点が長いと、操作を順序付けることができます。
バッテリー パック コネクタでの設計時に考慮すべきことは何ですか?
製品属性を理解しておくと、目的の用途に対する最良の TE ソリューションが何かがわかります。最も重要な物理属性は、ポジション数、コネクタ タイプ、マウント角度、PCB マウント、電圧キー、PCB マウント リテンション、位置決めボス、および XYZ 寸法です。また、システムとバッテリーパックの間で必要な合計電流、耐久性嵌合サイクル、および動作温度を収集することも重要です。
バッテリー パック コネクタの詳細情報はどこで得られますか?
当社の標準のバッテリー パック コネクタの詳細については、www.TE.com/products/batterypack を参照してください。型番詳細ページのサンプル システムからサンプルをご請求いただけます。