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ホワイト ペーパー

ピエゾ抵抗センサ技術と先進的熱センサ技術の比較

HVAC 用センサ技術の比較

暖房換気および空調 (HVAC) 機器の設計者は、きわめて精度が高くエネルギー消費がはるかに小さいシステムを作成する上で、実装の課題に直面しています。 これらの課題は、エア ハンドリング システムが HVAC 設計で主要な役割を果たす商業市場において特に深刻です。可変空気量 (VAV) システムは、暖気と冷気をオフィスや商業空間に分配するための業界標準です。この設備は差動圧力センサを使用して、HVAC システムから供給される空気の制御とフロー ダクトでの圧力の測定を行います。

HVAC 環境では、圧力が重要な物理値であり、圧力の測定がきわめて重要となります。この測定を行う電子センサは、圧力レンジが狭くても非常に正確で信頼性に優れています。このような差動圧力センサは、ほんの数ミリバール (数インチの水柱) で作動して体積空気流量を測定します。相対圧力センサや絶対圧力センサとは異なり、作動圧力センサは 2 つの圧力の差分を測定します。したがって、2 つの独立した圧力接続部があります。


センサでエア フローと圧力を測定することにより、空気が効果的に分配され、HVAC システムの効率が向上します。このようにセンサは重要な役割を果たすため、HVAC システムの性能を最大限に高めて快適な空間を確保するには、適切なセンサを選択することが不可欠です。

 

このホワイトペーパーでは、HVAC 分野での差圧測定に実績のある 2 つの技術、すなわちピエゾ抵抗 (ダイアフラムベース) センサと熱 (フローベース) センサに焦点を当てます。どちらの技術にもそれぞれ長所と短所があります。

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VAV システムにおけるセンサの役割

VAV システムは HVAC 分野において一般的であり、設計エンジニアはこのシステムを使用して商業ビル内の空間の広い面積を冷暖房のためにゾーニングします。VAV システムは、ダンパとコントローラを備えたシート メタルのボックスで構成されています。ボックスのコントローラには、ダンパの位置を調節するためのアクチュエータが接続されており、これによってゾーンに送り込む空気の流量をエア フローや温度などのプログラムされた入力値と変数に基づいて変化させることができます。


VAV ボックスに供給される空気は、大きな空調機と中央配管から提供されます。VAV ボックスが冷房モードのときはより高いエア フローが必要となるため、ダンパは全開放位置になります。暖房時には必要なエア フローが少なくなるため、ダンパは最小位置に調節されます。


空調機のブロア ファンが、需要に応じてエア フローを調節します。VAV ボックスの内部に、エア フローを測定するセンサがあります。温度と立方フィート/分 (CFM) の需要に基づき、エア フローと温度の変数によってダンパ位置が制御されます。メイン供給ダクト内にある追加のセンサが空気の圧力を測定します。圧力のセット ポイントは空調機の制御プログラムの内部にあります。このプログラム内のセット ポイントを維持するため、空調機のコントローラがダクトの圧力に応じてブロアの速度を上昇または下降させます。

ピエゾ抵抗 (ダイアフラムベース) 技術

高い線形性が不可欠な場合

ピエゾ抵抗差動圧力センサは、抵抗器がホイートストン ブリッジとして組み込まれた薄いシリコン ダイアフラムで構成されています。圧力に差がある場合は、ダイアフラムが押されてひずみが発生します。測定ブリッジに配置された半導体抵抗器が、いわゆる「ピエゾ抵抗効果」によってこの機械的応力に反応します。つまり、抵抗器の抵抗が変化し、電圧が変化して、圧力に比例した測定信号がトリガーされます。

 

長年の間、ピエゾ抵抗センサ技術は HVAC 分野において低リスク オプションと認識されています。エア ハンドリング システムはほこりが溜まりやすい場所ですが、ピエゾ抵抗センサには流路がないため、ほこりによって性能が低下することはありません。この技術は感度が高く、1 mbar (0.5 インチの水柱) ~ 10 bar の測定レンジを必要とする用途に適しています。ピエゾ抵抗センサは線形性の高い信号-圧力特性と優れた全体的精度を持ち、サイズが小さいためコンパクトに実装できます。

従来の熱 (フローベース) 技術

従来の熱差動圧力センサでは、2 つの温度感受性抵抗器 (1 つは上流、もう 1 つは下流) の間に加熱素子が配置されています。2 つのセンサ接続の間に圧力差 (差圧) がある場合、センサ内をガスが流れ、温度プロファイルが下流抵抗器の方向に移動します。その結果、2 つの抵抗器の間に温度差が生じ、ガス フローに比例した出力信号 (基になる差圧の程度) がトリガーされます。

 

体積流量を測定するには、フローベース センサをチューブによってメイン流路に接続する必要があります。場合によっては、センサをほこり、湿度、細菌汚染から守るため、バイパス経路で追加のフィルタが使用されることがあります。ただし、メイン流路とバイパスの間にある空気圧要素はフロー抵抗を増加させ、圧力低下につながります。したがって、圧力センサで測定される差圧は、メイン流路内のフロー制限要素によって生じる差圧よりも低くなります。その結果、メイン流路内の体積流量の測定値が不正確になります。接続チューブと追加フィルタのフロー インピーダンスがセンサに比べて高いほど、この効果は大きくなります。

 

従来のフローベース差動圧力センサの場合、センサへのチューブの長さは許容される最長の長さにすることが推奨されます。つまり個々に、バイパスでの圧力低下を補正するための修正式が与えられています。これまでは、センサの校正が変化するほどの空気インピーダンスの増加を防ぐため、チューブの長さは短くされていました (センサの校正が変化すると、不正確な値が返されます)。

 

以前は、上記のような問題が原因で OEM 設計者の間に熱フロースルー技術の利用に対して懸念がありました。しかし、先進的な熱センサの登場により、このような懸念は急速に軽減されています。

超低圧測定の優れた選択肢

先進的熱差動圧力センサは、サイズがわずか 4 mm2 (0.006 in2) ほどのシリコン チップをベースとします。このセンサには、シリコン センサ チップ内にマイクロ流路を統合する革新的な MEMS 技術が組み込まれています。先進的熱センサは、0.25 mbar (0.1 インチの水柱) フル スケール (FS) という超低圧の空気またはガス圧力を測定できます。


先進的熱技術はダイナミック レンジが広く、特にゼロに近い超低圧に対する感度が高いという特長があります。このセンサは、校正、温度補償、増幅のためのデジタル信号調整が可能で、高い感度、広いダイナミック レンジ、線形信号出力のいずれが必要であるかに応じて異なる用途要件に最適化できます。おそらく、先進的熱技術の最も重要な利点はゼロオフセットの正確さです。


通常、システム内の差圧は、気流速度をデルタ P に変換する気流速度プローブによって発生します。これらのプローブは、昔ながらのピトー管の物理的原理を使用します。その形態は、複数のオリフィスが開いたスティック状か、または湾曲した金属チューブがダクトの断面全体に分布した形 (複数のオリフィスも開いている) になっています。


マイクロ流路をセンサ チップに統合することで、先進的熱圧力センサは最大 20,000 ~ 50,000 Pa/(ml/s) という非常に高い空気インピーダンスを達成できます。これは、従来の同等の熱 (フローベース) センサよりも最大 100 倍高い性能を示します。マイクロ流路はセンサを通過するガス フローを絶対最小限に抑え、ほこりっぽい環境や湿気のある環境において、または長い接続チューブやフィルタを使用している場合に、独自の利点を提供します。


TE の先進的熱技術では、バイパス フローはほぼ完全に、センサ デバイスの非常に高いフロー インピーダンスによって決定されます。フローに対する抵抗を高める追加要素の影響は無視できます。つまり、先進的熱差動圧力センサは、長いチューブ、フィルタ、その他の空気圧要素と組み合わせても、校正が失われることはありません。たとえそのような要素による抵抗が経時的に変化したとしても、測定精度に悪影響は及びません。このような特性のおかげで、エア ハンドリング システムの設計の柔軟性が向上します。

これまで、ほこりっぽい HVAC 環境で従来の熱圧力センサを体積流量測定に使用していたときには、ほこり粒子がセンサの内部や内部流路の壁にまで達することがありました。このような状態になると、センサの空気インピーダンスが増加し、出力信号は低下して、校正は失われます。最悪の場合は、流路が完全に閉塞し、センサが故障する可能性があります。 

 

TE の先進的熱圧力センサは、上記のようなほこりっぽい環境による問題の影響を受けません。空気インピーダンスが非常に高いため、センサを通過するエア フローはごく微量です。つまり、体積流量測定用のバイパス経路を流れるほこり含有ガスの総量は、従来の熱圧力センサに比べて、絶対最小限に抑えられます。さらに、流速が大幅に下がるため、残存するほこりはバイパスに沈降し、センサ入力部まで達しません。


そのため、センサにダスト フィルタは必要ありません。センサへのほこりの侵入を排除できるため、測定値が正確になり、センサの寿命も延びます。


従来の熱センサは特定の向きに取り付ける必要があるのに対し、先進的熱センサは任意の向きに取り付けられるため、位置依存性の問題がありません。これにより、エア ハンドリング システムの設計の柔軟性は大幅に向上します。また、先進的熱センサの流路の精度も、設計の柔軟性を高める一因となります。従来の熱センサでは、流路とガス フローはセンサのプラスチック ハウジングの幾何学的形状によって決定されます。これらのハウジングの製造精度は半導体技術ほど高くないため、安定性は低くなります。それに対して、先進的センサのマイクロ流路はダイ レベルで定義されています。そのため、センサ ハウジングをより柔軟に設計し、きわめて低い製造公差、小型化、より安定したパッケージング、製造コストの削減を実現できます。

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まとめ

どの差動圧力センサを選択するかは、用途の要件によって決まります。温度が変動する環境で機能することが求められる場合もあれば、激しい振動やほこりっぽい空気への耐性が必要な場合もあります。条件がどれだけ厳しくても、長期にわたって精度と信頼性の要件を満たす圧力センサは常に存在します。どちらのセンサ技術も、それぞれの高い感度と精度により、実際には同じように機能します。それぞれの技術には、固有の強みや利点があります。ピエゾ抵抗センサは、線形性に優れています。先進的熱センサは、従来のフロー技術の欠点をなくし、測定のゼロ ポイント付近で特に高感度で反応します。適切な技術を選ぶことにより、可能な限り低いエネルギー コストで人々の快適性を最大限に高める HVAC エア ハンドリング システムを構築できます。

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