制御パネル

電圧出力を比較する

圧力トランスデューサで利用できる、最も一般的なアナログ電圧出力信号の違いを比較します。

圧力トランスデューサでは、さまざまな電圧出力オプションをご用意しています。 トランスデューサの信号を受信するコントローラの進化を受け、市場における選択の自由度も高まっています。市場では数多くの出力オプションが提供されていますが、これらの違いはごくわずかです。競争で優位に立つために製品をカスタマイズしているメーカもあれば、明確な根拠を持って開発を行っているメーカもあります。ここでご紹介する出力信号はすべて、10 VDC 以上で動作します (0 ~ 10 V および 1 ~ 10 V 出力には 12 VDC が必要)。0.5 ~ 4.5 V のレシオメトリック出力信号は通常、調整された 5 VDC により動作させますが、供給電圧を変えることも可能です。同様に、ミリボルト出力信号にも独自の特長と利点があります。増幅電圧圧力トランスデューサについて、以下で簡単にご紹介します。

センサ用の 3 線および 4 線電圧出力の比較

ゼロベース出力

圧力トランスデューサ出力には従来、0 ~ 5 V 信号と 0 ~ 10 V 信号が使われてきました。ヨーロッパで普及しているゼロベース出力信号の場合、標準的なゲージ圧力トランスデューサは、圧力ゼロでは出力信号を生成しません。トランスデューサは、ゼロベース出力信号に対応した 3 線・4 線構成で提供されています。0 ~ 10 V 信号には、スパンが 0 ~ 5 V の 2 倍であるという利点があります。ゼロベース出力信号のおもな欠点は、圧力ゼロでは信号出力されないことです。トランスデューサに断線・センシング素子の故障・過電圧を受けた素子があると、センサは信号を生成しないため、問題の発生を把握する手段がありません。圧力トランスデューサで水圧を測定する場合、管路に圧力がかかっていない状態でトランスデューサは 0 V の信号を生成します。圧力を検知すると、ポンプが作動するよう信号を送ります。障害状態でも圧力ゼロでもセンサが 0 V であることには変わりなく、この 2 つを区別する方法はありません。ポンプが作動しているか分からず、水浸しにしてしまう恐れがあります。

圧力ゼロにおける電圧

0 psi で信号を出力する圧力トランスデューサには、さまざまなバリエーションやカスタム オプションがあります。たとえば TE では、1 ~ 5 V、1 ~ 6 V、0.25 ~ 5 V、1 ~ 10 V バージョンをご提供しています。1 ~ 5 V の出力信号は、業界で最も広く利用されています。圧力ゼロで 1 ボルトの出力信号を生成する、圧力測定のため 4 ボルトのスパンに対応しているなどの安全機能をご提供しています。1 ~ 6 V および 1 ~ 10 V 出力信号は、上記のゼロベース出力と同程度の電圧範囲で、しかも圧力ゼロでも信号を出力する製品を求めるエンジニアに選ばれています。0.5 ~ 2.5 V 出力信号は、いささか特殊です。遠隔計測用途の場合は、消費電力についての配慮が必要になります。遠隔地の油田や建設現場用機器では、リチウムイオン バッテリーやソーラ パネルを用いて電力供給を行うため、供給電圧や消費電力が低く抑えられ、圧力トランスデューサの耐用年数も長くなります。トランスジューサが動作していることを示すには、0.5 V の 0 PSI 信号で十分事足ります。2.5 V までのスパンは、圧力や液面を正確に測定するにあたって十分な分解能を提供します。

MSP300
MSP300
AST20HA
AST20HA

高性能センサ

インダストリアル圧力トランスデューサの性能は、高まる一方です。電子機器やマイクロプロセッサの進化に伴い、出荷時に「障害状態」に関する設定が施されている圧力トランスデューサを入手することも可能になりました。出力に制限を設けたり、下限より下、あるいは上限より上で出力信号を送信することによって問題発生をコントローラに知らせるよう、トランスデューサをプログラミングすることもできます。たとえば、システム内の突発的高圧によってセンサのダイアフラムが破損した場合に、1 ~ 5 V の出力信号を出力 1 V 未満に引き下げる、または (約 10% 上乗せして) 出力が 5V を超えるようにプログラミングすることができます。ポンプ用途においては、浸水や、無水状態での作動、過度な摩耗を防ぐのに役立ちます。