過酷な環境向けの統合防空ミサイル防衛システム

過酷な環境向けの統合防空ミサイル防衛システム

ミッション クリティカルな検知、発射、飛行、高精度の照準に求められる、小型、軽量、高速、高信頼性の相互接続およびシステム

迫りくるあらゆる脅威を無力化する統合防空ミサイル防衛システムは、ほとんどの国家におけるセキュリティと防衛の柱です。 グローバル化が進み、脅威レベルが高まり、技術も進化する中、より迅速な対応、きわめて高度な精度、緊急攻撃への抑止を目指した新技術の数々が実現されています。よりスマートなミサイルや防空システムの登場により、ミッションをインテリジェントに、より効果的に遂行するために欠かせないエレクトロニクスに対する新たな需要が喚起されています。これには、高帯域や、さまざまなサブシステム間での相互接続も必要となります。同時に、設計者たちはより小さなスペースにより多くの機能を凝縮させようと、SWaP (サイズ、重量、電力) の節減に一段と力を注いでいます。しかし、SWaP を削減しようと努力を重ねながらも、性能、耐久性、過酷な環境への適応能力を妥協することはできません。

検知から照準までのエンドツーエンドの接続性

迫りくる脅威を検知し、対応し、的確に照準を合わせてこれを排除できるように、最新の防空システムに対する需要はかつてなく高まっています。きわめて過酷な環境でも正常に機能する必要があるため、相互接続部、インタフェース、およびシステムには高度な小型性、軽量性、高速性、信頼性が求めらます。

必要な情報の入手と発信

現代の兵器システムは、データを収集して処理し、脅威をリアルタイムで特定するための強力な性能を備えています。これは、センサI/O コネクタ、スイッチ、光ファイバ、アンテナ、堅牢な埋め込み型コンピューティング ソリューションのネットワークを基盤とする複合システムであり、このシステムによって収集および処理されたデータは、実用的な情報に変換され、テキスト、ビデオ、警告灯、または他のインジケータの形を取って兵器システムのオペレータに表示されます。

 

レーダ システムは、ミサイル防衛システムと早期警戒システムに不可欠なビジョンを提供します。高速で正確なセンサ、途切れることのないデータ フロー、そして高速処理は、接近しつつある脅威をリアルタイムに検知し、追跡するために不可欠な要素です。レーダは対抗措置として発射するミサイルを照準し、追跡するためにも使用できます。いずれの場合も、正確性が求められ、1 秒を争う状況では、天候、結露、化学的汚染、またはその他の環境的脅威による失敗は許されません。

 

発射の失敗は問題外

現代の防空システムにおける発射装置は、ミサイルを配備する以上の機能を備えます。効果的な発射システムであれば、ミサイルの即応性を監視し、ローカルおよびリモートの指揮統制ネットワークと通信し、最終的にミサイルを発射する能力が必要とされます。発射システムは、ミサイル防衛システムの他の構成要素ほどには多くの帯域幅を必要としません。しかし、幅広い種類の環境条件下でミサイルに接続するための信頼性と操作性が、きわめて重要となります。

 

 

ミサイル発射装置には、地上、海上、空上用途のさまざまなオプションがあります。これには、砂嵐の最中に兵士が肩に担いで使用する肩撃ち式ユニット、起伏の激しい地形でも複数のミサイルを搭載して走行可能な車両、はるか海面下の潜水艦に搭載する発射管、氷点下でも対応する航空機の兵器ポッドなどがあります。どの用途にも、発射装置が性能を発揮しなければならない過酷な環境条件に関連する、それぞれの課題があります。MIL-STD-1760 適合コネクタ、制御ボックス ユニット、ハーネス、インタフェース、アセンブリを適切に組み合わせることが、発射の成功につながります。

高精度の照準のための高度なセンサおよび帯域幅

高精度制御誘導システムは、発射されたミサイルが標的に正確に向かい続けるように、さまざまな種類の誘導コマンドを発します。ミサイルが正確に飛行するには、赤外線およびレーザ センサ、レーダ、および GPS からのセンサ データを、過酷な環境下であってもリアルタイムに処理できる能力が必要です。また、誘導システムは、フライトのフェーズ、傍受のタイプ、動作、熱検出、近接、変化し続ける気象条件など、さまざまなフライト変数にも対処する必要があります。

 

 

センサ技術がますます高度化し、これまで以上に多数のセンサがシステムに組み込まれるようになり、収集するデータの量と種類は複雑さを増しています。こうした大量のデータを収集し、処理するため、コンピューティング ネットワーキング技術はかつてのギガビット Ethernet から 10 G 規模のものに移行し、信号処理システムも、より多くの帯域幅をより小型のパッケージに組み込めるように設計されています。高速 I/O コネクタ、フックアップ ワイヤRF 同軸接続のいずれかの性能が低下したり、損傷したりすると、情報の流れが途絶え、ミサイルの軌道が変化する事態にもなりかねません。これほどの量の重要な処理能力とデータ ストレージを保護するには、急激な温度変化、激しい衝撃、振動、衝突、放射線、あるいは化学的な脅威にも耐えうる構成部品が必要です。

発進から標的に至るまでのミッションクリティカルな信頼性

ミサイルの駆動には大きな危険が伴います。地対空ミサイル、巡航ミサイル、大陸間弾道ミサイル (ICBM)、対艦ミサイル、対空ミサイルの推進システムには、ロケット、ジェット エンジン、ターボファン、ラムジェットなどがあります。多段式ミサイルは複数のエンジンやブースターを使用しますが、カタパルト システムまたは装薬によって発射するミサイル システムもあります。

 

推進システムには、コネクティビティに関する深刻な課題があります。エンジン内およびエンジン室内のコネクタリレーと端子、スイッチ、電線とケーブル、堅牢な光ファイバは、極端な温度 (最大 350°C)、刺激の強い化学物質への曝露の可能性、数千ポンドにもなる推進力を生じさせるエンジンの激しい衝撃や振動にも耐えられなければなりません。ミサイル全体の各部を構成する他の部品も、イグニッションおよび推進力によって生じる過酷な環境条件に耐えるように設計する必要があります。

すべてを完璧に連携させる

追尾装置と誘導技術は、標的とするミッションを追跡します。飛行制御は、機体の力学を監視して飛行パラメータを調節します。制御システムは、ミサイルのあらゆる部分と相互作用します。

 

電子機器、アクチュエータ、オートパイロット、およびその他の飛行制御システムは、幅広い種類の過酷な環境条件下、ミサイルを軌道上に維持するという基本的な機能を担います。たとえば、高速 I/O コネクタ、リレー、センサ、光プラットフォーム、および制御システムを構成するその他の部品は、システム内で発生するものだけでなく、外部の防衛手段から生じる電磁干渉からも十分保護される必要があります。ミサイル全体に制御が分散され、センサやアクチュエータ付近にもインテリジェンスを組み込む傾向が高まっています。各種サブシステム間の高信頼かつ高速な通信が非常に重要となります。

信頼できる性能を実現する高度なコネクティビティ

TE Connectivity は、よりスマートで小型かつ軽量であり、きわめて過酷な環境条件下でも高い信頼性を発揮する統合防空ミサイル防衛システムの開発において、設計者を支援します。発射時の素早く確実な解放を可能にするよう設計されたコネクタ、350°C 程度の高い温度定格を持つエンジン構成部品など、TE のセンサおよびコネクティビティ ソリューションを導入することで、最新のミサイル検知、追跡、発射、誘導、および制御システムに必要とされる高速処理および帯域幅を実現し、管理できるようになります。

主なポイント

  • どのミサイルも、使用されるのは一度だけですが、すべてのミサイルおよびすべてのミサイル防衛システムは、いつでも即座に、かつ完璧に機能できる状態を維持していなければなりません。検知から照準までのエンドツーエンドの接続性が重要となります。
  • 統合防空ミサイル防衛システムをミッションに対応させておくには、信頼性が高く、メンテナンスの容易なサブシステムが不可欠です。
  • レーダ システムは、ミサイル防衛システムと効果的な対抗措置に対して重要なビジョンを提供します。天候、結露、化学的汚染、またはその他の環境的脅威による失敗は許されません。
  • ミサイル発射装置には、地上、海上、空上用途のさまざまなオプションがあります。どのオプションにも、特定の種類の発射装置が運用される過酷な環境条件に関連するそれぞれの課題があります。
  • 最新の高精度制御誘導システムは発展著しく、より高度なセンサを大量に搭載しています。これに伴い、より高速なコンピューティング ネットワーキングおよびデータ ストレージ技術が必要とされています。接続の性能が低下したり、障害が生じたりすると、情報の流れが途絶え、ミサイルの軌道が変化する事態にもなりかねません。
  • 堅牢な制御システムを確立することで、ミサイル内部でさまざまな機能を果たす全システムが、きわめて過酷な環境下でも通信しあい、適切に連携できるようになります。

TE が堅牢なコンピューティングに関する新たな課題の解決をどう支援するかをご紹介しています。