自律型重機

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次世代の重機

明日の建設機器、農機、マイニング トラックは自律的に運転し、日夜休みなく作業を続けます。TE Connectivity (TE) のセンサとコネクティビティのソリューションは、それを可能にする技術革新の中心的な役割を担っています。

著者

Clark Woodruff、Global Product Manager、Industrial & Commercial Transportation 部門

現場や作業場において現在使われている機器には、さまざまな技術が搭載されています。 重機には、全地球測位システム (GPS) やカメラ システム、省燃費エンジン、大型タッチ スクリーン モニタ、高度な診断機能がよく使われています。これらの技術の多くは、オペレータが半自律的に重機を制御するためのものです。このような進歩によりオペレータの疲労が軽減され、長い一日の作業が緩和されます。また、安全性を高めて操業コストを節減する上でも役立ちます。


これを次の段階に高める完全自律型の重機の到来は、目と鼻の先です。巨大なコンバイン農機やマイニング トラックが無人で走り回るというアイデアには、少なからず不安が付きまといます。多くの人にとって、重要な問題は安全性、基準、そして規制です。しかし、未来の機器を設計するために日夜努力を重ねているエンジニアにとっては、その発想をどのように現実に変えるか、ということの方が重要です。自律的操作では、それまでオペレータの任務であった検知と意思決定を車両に託すことになります。意思決定には、入力内容を処理して車両に業務を割り当てる、複雑なソフトウェア分析が必要です。これらの入力はすべて、サブシステムと最終的に車両の主調整室と交信する機器によって行われなければなりません。これらの新しいシステムを統合するために、産業および商業輸送分野のエンジニアは「次世代の機器を自動化するために必要とされる、革新的な技術を支援する接続製品は何か?」と自分に問いかけています。そこでお役に立てるのが TE です。

建設機器、農機、マイニング トラックのメーカーが直面する主な接続性の課題のひとつは、過酷な状況にさらされることです。 これは、今日の機器だけでなく、未来の完全自律型車両においても同じことです。電気接続のわずかな劣化でさえも重大な問題になりかねません。数日、数週間、数か月、さらに数年にわたって機械が被る振動、湿気、汚れ、埃などのすべてが、その電気システムを劣化させる可能性があります。電気システムの故障は診断に多額の費用がかかり、機器が壊れると操業全体が中断されることもあります。過酷な状況に対応できるように設計された接続性ソリューションの選択は、必要不可欠です。

コネクタ ボディと端子システムは、現場で直面する状況に耐える必要があります。適切な材料の選択において、極端な温度、湿度、液体に対する耐性は必要不可欠です。浸漬および圧力曝露に耐えるコネクタ シーリングだけでなく、振動と衝撃に耐える頑丈で安全なロック機構も必要です。密閉され固定されたコネクタの嵌合は、最適なコネクタ性能の第一歩にすぎません。端子システムはコネクタの要であり、完璧な機能が要求されます。これらの堅牢な接続機能がなければ、電気システムは、建設業や農業、採掘産業のストレスの下では持ちこたえられません。

電気システムの故障は診断に多額の費用がかかり、機器が壊れると操業全体が中断されることもあります。
Clark Woodruff,
Global Product Manager、Industrial & Commercial Transportation 部門

TE は、過酷な環境に耐えるように設計されたコネクタおよびセンサを専門としています。 他に類を見ない TE の産業および商業輸送製品のポートフォリオは、連続使用、全天候という極限の厳しい要求と課題に対応できるように設計されています。TE のコネクタには異なる形状、ラッチ機構、取り付けスタイル、材料が用意されており、多様な用途の要件を満たします。

建設機器、農機、マイニング トラックを運転する過酷な状況から接続を保護する上で、多くのエンジニアが TE の DEUTSCH DT コネクタを選択しています。DT コネクタは、過去 30 年以上にわたり、過酷な産業および商業輸送環境につながりを生み出しています。2 極、3 極、4 極、6 極、8 極、12 極の極数展開でケーブル対ケーブル、ケーブル対基板、ケーブル対デバイスの各用途向けに製造された DT コネクタ製品ラインは、設計の柔軟性がその中心です。

DEUTSCH DT コネクタの特長は、フランジ取り付け (オプション)、マルチピン配列、低コスト、および設計の柔軟性を提供できることです。 DT コネクタは、電源用にそれぞれ 13 A の連続定格電流と信号に応じたメッキの種類を備え、複数のサイズ 16 DEUTSCH 端子を使うことができます。コネクタ シェル内の端子の位置合わせには、ウェッジロックを使用します。熱可塑性ハウジングは幅広い作動温度範囲に対応し、リア ワイヤ部および嵌合部のシリコン製シールによって極端な温度と湿度の条件に耐えることができます。DT コネクタは、プリント基板の取り付け用に構成することができます。電子モジュール用の DT コネクタにはストレート ピン型と 90° ピン型が用意されており、防水フランジ付きまたはフランジなしのヘッダ取り付けがあります。DT 製品には特殊ヘッダのオプションもあり、完全なエンクロージャ ソリューションとなっています。また、抵抗器、ダイオード、バス バー、LED などの内部構成部品も用意されています。

明日の機器を設計するエンジニアは、市場で実績がある堅牢な品質の接続製品を必要としています。 自律型の建設機器、農機、マイニング トラックの接続が長年経験を積み重ねたエンジニアリングの知識によって保護され、実地の試験によって確証されている、という安心感は極めて重要です。

TE は、不可能と思えることを実現できるようにお客様を支援しています。TE と革新的な機器メーカーとの協力体制は、より密接につながる未来の重機を生み出します。現場と作業場の労力を自律型機器に置き換える場合には、DEUTSCH DT コネクタのようなすぐれた製品がそれを実現します。

DT コネクタには、機能を補強するブーツ、バックシェル、ガスケット、ダスト キャップ、取り付けクリップなどの付属品が用意されています。これらの付属品は、取り付け補助、保護機能の強化、外観の向上などの設計要件に幅広く対応できます。

DT コネクタ製品ラインの設計の柔軟性は、エンジニアの能力を強化します。妥協の必要はありません。DT コネクタはすでに 30 年間使われており、設計上の要件を満たすために革新的な修正が加えられ、製品ラインは発展・強化され続けていますが、過酷な環境に対応する堅牢なソリューションとしての DT コネクタ設計の原型は忠実に活かされています。