プロファイル: Nathan Tracy、システム アーキテクチャ チームの技術者

データ通信、データ センタ、ワイヤレスの市場で広範な用途に使用されるコネクティビティ製品に重点を置いています。私の専門領域は物理であり、コネクタ、通信システム アーキテクチャ、光ファイバ、高速伝送、無線周波数 (RF) システムなどの信頼性に優れた製品を取り扱っています。

変化の速さが加速し続けている状況下では、チャレンジだと思っています。前に進む速度を落とすわけにはいきませんが、お客様と密に接し続けることと大量の新しい情報を吸収することを最優先としています。業界標準の会合からは豊富な情報を入手しています。この会合は、お客様企業やシリコン チップ開発企業のシステム アーキテクチャ専門家と歓談し、前向き思考の方々の意見を拝聴できる絶好の機会です。

車載用イーサネットです。自動車は、単なる移動手段ではなく、これまで以上にビジネス ツールと娯楽のハブになりつつあります。データに接続することにより、自動車の中で仕事ができ、自動車の中で子供達を楽しませることができます。また、車線逸脱警告やブレーキ アシストなどの安全システムによる安心感を得ることもできます。このようなことから、車載データ ネットワークを最優先課題としています。

例として、フィットネスと集団検診のデータを挙げましょう。現在、私は約 5 年分の集団検診データにアクセスできます。また、これらすべてのデータとフィードバックにアクセスできるフィットネス モニタを身に付けています。これにより私は、自身のフィットネス データを積極的に管理できます。健康増進だけではなく、状況によっては、健康管理に要するコストを削減できることでもあります。

現在では、自動車や自宅の暖房システムに携帯電話から接続できるようになっています。それと同じように私も、他部門と常に技術上の意見交換をし、繋がりを大切にしています。その中から、これまで以上に優れたソリューションも生まれてきます。また、TE 社内の技術会議は、このような活動をフランクな雰囲気の中で進める絶好の場所です。

新たなことを学ぶこともあれば、学んだことを繰り返すこともあります。効果があったものは何か、また各プロジェクトで成功裏に実行できたものは何かという点を客観的に把握するようにしています。このようにすることで、私たちの能力を引き上げ、ミスを最小限に抑えることができます。

私たちは、より高密度な IO 相互接続を実現するためのアイデアを模索していました。我々のゴールとしては、接点を増やし、より小型化することが必要でした。私たちは「データ速度も引き上げられるだろうか。できるとすれば、データ速度向上と高密度化に伴う熱の問題を、どうすれば解決できるだろうか」と思案しました。TE の技術陣は microQSFP 技術のコンセプトにたどり着き、ここから OSFP 400 Gbps というフォーム ファクタが生まれました。TE では現在、100 Gbps の電気チャネル性能をベースに 800 Gbps まで拡張を進めています。このプラガブル フォーム ファクタにより、さらなる高密度化、集約帯域幅の増大、放熱管理が可能になりました。TE では、パッシブ接続における到達距離の最適化を可能にする、OSFP ダイレクトアタッチ銅線ケーブルも提供しています。

常日頃から、FASTON 端子のような無はんだのクリンプ接続コネクタに興味を持ってきました。これはシンプルながら巧妙な製品です。製品化されたのは 1950 年代ですが、今日でも効果的なソリューションであり続けています。最近の状況に目を移すと、RJ Point 5、ミニチュア イーサネット コネクタ、Coolbit 光学エンジン、STRADA Whisper バックプレーン コネクタといった製品はすべて、新たに湧き起こっているニーズに応えるために TE の技術陣が市場に送り出したものです。きわめて簡潔な機能からきわめて複雑な製品まで、当社の技術に関与していることに喜びを感じています。