用途に適した出力信号の選択
LVDT 位置センサにはさまざまな出力信号が用意されています。出力信号の種類とオプションについてご覧ください。
AC 駆動の LVDT 線形位置センサには内部に電子部品が内蔵されていないので、動作にはオシレータ、搬送波増幅器、復調装置やフィルタなどの外部装置が必要です。 DC 駆動の LVDT 線形位置センサは、AC 駆動の LVDT と搬送波発振器/信号調整モジュールで構成されています。AC 駆動の LVDT が持つ理想的な特性をすべて備えているうえ、DC 駆動の使いやすさがあります。多くの場合、用途は AC LVDT または DC LVDT の出力信号によって決まります。
AC 駆動 LVDT の用途
極端な高温
-20°C 以下または 85°C 以上
適切な材料で構成された AC 駆動の LVDT は、‑200°C ~ 500°C の温度で動作します。 一方、DC 駆動 LVDT 位置センサは、電子信号調整モジュールの材質の特性により制限があります。
コンパクトなサイズ
電子部品内蔵の LVDT に期待される寿命は 20 年である一方、フリーコア、非接触式 AC 駆動の LVDT にはそれよりさらに長い寿命が期待されます。 その高い信頼性によって、どちらも簡単にアクセスできない場所への取り付けに最適です。内部電子部品を必要としない AC 駆動の LVDT は、コンパクトな場所に収まるさらに小型のパッケージ サイズも用意されています。リモート電子部品は LVDT から離れたアクセス可能な場所に取り付けることができます。
優れた耐衝撃性と耐振動性
高感度の電子部品は、衝撃や振動の影響を受けることがあります。 AC 駆動の LVDT を取り付けると、電子回路からセンシング素子を区別することができます。最長 31 m (100 フィート) の長いケーブルで接続すると、電子部品を離れた穏やかな環境に設置して、AC 駆動の LVDT を苛酷な環境で使用することができます。
DC 駆動 LVDT の用途
容易で迅な取り付け
DC 入力/DC 出力および工場出荷時キャリブレーション済みの出力により、迅速かつ容易にセットアップできます。ASIC とマイクロプロセッサを使用すると、内部電子部品はセンサ ハウジング内にさらに複雑な処理機能と信号調整機能を提供します。キャリブレーションや増幅機器に依存する必要がないので、セットアップ時間だけでなく全体的なシステム経費が削減します。
信号調整要件の削減
DC 駆動の LVDT は、従来の外部 AC 励磁・復調・増幅機器の容積、重量、コストの削減に役立ちます (制御パネルがない屋外用途に適しています)。 また、計測学と海中用途に最適な、コンピュータ ベースのシステムと標準化されたデジタル バスに対応するデジタル出力を直接生成します。
ループ電流オプション
4 ~ 20mA 出力
電圧信号とは異なり、電流信号は長い電路を通じても衰えません。 このため、ループ電流 4 ~ 20 mA の LVDT は、1,000 フィートを超える長い電路への用途に最適です。 これは、制御パネルがセンサから離れた位置にある海中や屋外用途において非常に便利な機能です。
AC LVDTと DC LVDT の利点比較
AC LVDT | DC LVDT |
---|---|
無限の電気的・機械的寿命 | キャリブレーション済みのアナログまたはデジタル出力信号 |
優れた耐衝撃性と耐振動性 | 信号調整への依存解消 |
広い動作温度範囲 | 統合された誤差補正 |
アクセスが難しい場所に適した小型のパッケージ サイズ | システム全体のコスト削減 |
無限の分解能 | より短時間でセットアップ |