レゾルバとは?

レゾルバとは、サーボ モータなどの用途で位置と速度のフィードバックに使用できる高確度の角度位置センサです。機械的デバイスとして見たTEのモータ向けレゾルバは、固定ステータ部と回転ロータ部で構成されています。電気的には、このロータ部に電力を供給する変圧器と角度を判断する別の変圧器で構成されています。TE Connectivity は、耐衝撃性と耐振動性に優れた産業用レゾルバを提供できます。これらのレゾルバは、多彩なサーボ モータ コネクタと広範なセンサ用途に使用できるので、お客様の各種要件に対応できます。

レゾルバの原理

レゾルバは、サーボ モータなどの用途で位置と速度のフィードバックに使用できる角度位置センサです。中空軸レゾルバは、その設計上の特長により、平均をはるかに超える寿命を提供します。さらに、高い信頼性、高精度、省スペース性を兼ね備えています。過酷な環境条件下でも、十分な機能を発揮します。機械的デバイスとして見たレゾルバは、固定ステータ部と回転ロータ部で構成されています。


電気的には、このロータ部に電力を供給する変圧器と角度を判断する別の変圧器で構成されています。最初の変圧器は同心構造設計になっており、機能的にはロータの角度と無関係です。角度に依存する 2 番目の変圧器は、ステータ巻線とロータ巻線で構成されています。これら 2 つの変圧器部品の巻線は、巻枠の溝に収まる巻線の本数が正弦値に相当するように設計されています。

 

負の正弦値は、巻線の方向を逆にすることで実現しています。ステータ コイルは、互いに角度で 90°離れた位置に設けた同じ構造の 2 本の巻線です。ロータ巻線に電流を流すと正弦波磁束が形成され、この磁束によって、ロータとステータの相対的な角度位置の関数となる電圧がステータの 2 つのコイルに誘導されます。この 2 つの電圧の振幅は、それぞれ正弦関数状と余弦関数状に変化します。したがって、適切な評価回路を使用することで、絶対角度のデータが得られます (Sine ϕ / Cosine ϕ = Tan ϕ、ϕ はシャフトの角度)。この基本的な構造のレゾルバは、一対の極を持つレゾルバ (1 スピード レゾルバ) と呼ばれます。

 

極の対の数は、ロータが 1 回転する間にロータ巻線とステータ巻線で電圧の正弦波分布が繰り返される頻度を示しています。極の対が多いほど、機械的精度が高いレゾルバになります。極の対が複数あると、絶対角度のデータは得られなくなりますが、レゾルバ信号をデジタル変換することで高い分解能が得られます。

信頼性と高精度。 産業用サーボ モータとその駆動装置の最も重要な構成要素として、正確で信頼できるフィードバック システムがあります。高い信頼性と高性能を誇る TE 製レゾルバは、コスト効率が高いながらも簡潔性、汎用性、適格性、効率性、堅牢性に優れたソリューションを、このような重要なシステムに提供するように設計されています。下方にスクロールすると、サイズ 15 とサイズ 21 で用意されている TE 製産業用レゾルバの詳細をご覧いただけます。

製品の特徴

  • 非接触型測定原理
  • 湿度と多くの潤滑剤に対する堅牢性
  • 耐撃耐性 (11 ms 正弦波): 1,000 m/s2
  • 耐振動性 (0 ~ 2 kHz): 200 m/s2
  • 広い温度範囲 (-55°C ~ +150°C)
  • 電磁干渉に対する優れた耐性
  • 360°を超える角度情報
  • 追加の信号調整を必要とせずに長距離の信号伝送が可能
  • 高精度 (可変角度応じ、ノミナル角度: ± 4‘ ~ ± 20‘ arc minutes)
  • 許容最大モータ回転数 20.000 rpm
  • サイズ 15 およびサイズ 21 (直径) を用意
  • 単一回転数と複数回転数 (1 ~ 4 回転) のバリエーションを用意
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サイズ 15 タイプ レゾルバ - コンパクトな設計

TE が提供するサイズ 15 タイプのレゾルバは、過酷な環境に対応しながら、省スペース要件にも適合するように設計されています。コンパクト設計を採用した TE のサイズ 15 タイプ レゾルバは、小型のサーボ モータでも優れた精度で位置フィードバックを実行します。また、モータ ケーブル アセンブリ製品にとどまらず、さまざまなお客様固有のソリューションを提供できます。

製品の特徴

サイズ 15 タイプ レゾルバ
  • 最小ハウジング長さ: 16.1 mm
  • 最小外径: 36.83 mm
  • 最大インナー シャフト内径: 12.00 mm
  • 重量: 約 90 g
  • ロータ慣性モーメント: 約 20 g · cm2
  • 許容円周振れ: 0.075 mm
  • 許容アキシャル オフセット: ±0.25 mm
ディバイダ

サイズ 21 タイプ レゾルバ - 信頼性優先

TE が提供するサイズ 21 タイプ レゾルバは、高精度での角位置フィードバック機能を備えているほか、平均を上回る長寿命を誇ります。各種カスタム ハウジング/シャフト ソリューションのご要望にも対応可能なサイズ 21 タイプ レゾルバなら、取り付け・設置時間を短縮できます。

製品の特徴

サイズ 21 タイプ レゾルバ
  • 最小ハウジング長さ: 27.0 mm
  • 最小外径: 52.40 mm
  • 最大インナー シャフト内径: 17.00 mm
  • 重量: 約 240 g
  • ロータ慣性モーメント: 約 200 g · cm2
  • 許容円周振れ: 0.075 mm
  • 許容アキシャル オフセット: ±0.5 mm
ディバイダ

製品の特長

  • スペース要件を抑えながら高い信頼性と精度を実現
  • 過酷な環境条件下でも十分な機能を発揮
  • 湿度と多くの潤滑剤に対する安定性
  • 耐撃と振動に対する耐性
  • 機械構造設計およびコイル組み込みの自動化により、平均を超える寿命を実現
  • 単一回転数と複数回転数のバリエーションを用意
  • TE の Intercontec コネクタとの直接接続が可能

+/-6

角度精度 (arc min)

20000

最大回転数 (毎分)

+150

最大使用温度 (摂氏)

用途

  • サーボ モータ
  • ロボット
  • ファクトリー オートメーション機器
  • 織機

よくある質問 (FAQ)

レゾルバとエンコーダの違いは何ですか?

レゾルバもエンコーダも、機械的な移動を電気信号に変換することによってシャフトの回転位置を測定していることから、どちらも角度位置センサです。レゾルバは、高温、衝撃、振動などの過酷な環境条件下における堅牢性がエンコーダよりも優れています。レゾルバは、インクリメンタル エンコーダと絶対エンコーダとしても機能できます。エンコーダの出力はデジタル信号ですが、レゾルバの出力はアナログ信号なので、レゾルバ出力にはデジタル変換が必要です。レゾルバとエンコーダのどちらを使用するかは、具体的な用途に応じて判断します。特に、環境条件と制御回路が決め手になります。レゾルバはきわめて過酷な環境で真価を発揮しますが、エンコーダは高精度な出力が特長なうえ、簡潔な手順で制御回路に組み込むことができます。

 

その他、産業用レゾルバのFAQ