製品 
概要

コイル電圧のステップダウンとパルス幅変調 (PWM)

コイル電力の低減: (ラッチング リレーには適用されない)

 

制御電力の総消費量を低減し、温度上昇を抑えることは、多くの用途で望まれています。その 1 つの方法は、リレー コイルの消費電力を低減することです。DC コイル リレーでこれを実現するには、以下の 2 通りの方法があります。ただし、コイル電力を低減すると、リレー アーマチュアを吸着する力が低下し、リレーの衝撃および振動に対する耐性が低減する点に注意することが重要です。

 

同様に、衝撃や振動でリレーがアンラッチする場合、リレーは解放され、少なくとも最低限の動作電圧によって再び駆動されるまで作動しません。特に安全性が重視される用途においては、この状況に安全に対処できるように全体的な制御設計を行う必要があります。

 

こうした技術はすべて、アプリケーション ノート「優れたリレーおよびコンタクタ性能にきわめて重要な適切なコイル駆動」で定義されているリレーの「保持」電圧に依存しています。この「保持」パラメータは、通常は製造中に管理されず、データシートにも記載されていません。コイル電力の低減を実装する場合は、少なくとも TE 製品エンジニアリングにご相談ください。また、全体的な機能が予測可能で信頼できるものとなるように、「保持」電圧が制御される特殊なリレーを注文しなければならない場合もあります。

 

  • コイル電圧のステップダウン:

コイル電力を低減する 1 つの方法は、良好にフィルタリングされた 2 つの異なる電源を使用し、その両方をリレー コイル (通常は分離のためにダイオード OR 構成にする) と 2 つの異なる駆動手段に接続することです。これを実現する手段はいくつかありますが、最も一般的なものを以下に示します。

図 1.

図 1.

まず、(1) 2 つの電圧のうち高い方 (定格の「公称」コイル電圧以上) を少なくとも 100 ミリ秒間イネーブルにしてリレーを作動させ、リレーを安定させます。次に、(2) 低い方の電圧を少なくとも「保持」電圧以上の大きさでイネーブルにし、高い方の電圧駆動をディセーブルにして低い方の電圧でリレーを作動状態に保持します。  

 

リレーの「保持」電圧の低さと周囲温度の変化によっては、「保持」電圧を目的の用途で想定される衝撃や振動に十分耐えられる程度に高くして、アーマチュアを吸着し続ける必要があります。

 

すでに調査研究が済んだリレー製品群に関しては、TE 製品エンジニアリングからこの評価の詳細についてアドバイスを受けることができます。

 

• PWM (パルス幅変調)
コイル電力を低減するもう 1 つの方法は、パルス幅変調 (PWM) です。このスキームでは、まず少なくとも定格の「動作」電圧の初期 DC 電圧レベル (1) によって少なくとも 100 ミリ秒間リレー コイルを駆動した後、適切な周波数とリレーを作動状態に「保持」するデューティー サイクルで駆動トランジスタを「オフ」(2) および「オン」(3) に切り替えます。周波数応答とデューティー サイクル応答はリレー機構、コイル電圧、コイル電力、およびその他の要因によって変わるため、この実装は複雑になります。この制御設計段階では、必ず TE 製品エンジニアリングに相談してください。 

図 2.

図 2.

PWM に関する一般的なヒント: 

 

  • 「再循環ダイオード」は常に、電流を再循環させてリレーを作動状態に保持するために、リレー コイル全体で直接使用する必要があります。ツェナー ダイオードまたは抵抗器を再循環ループに含めないでください。そうすると、「オフ」期間に耐える力が低減します。
  •  特に周波数がおおよそ 10 kHz を超える場合は、スイッチング トランジスタをその周波数で確実に動作する定格にする必要があり、コイルのダイオードをショットキー タイプまたはファスト リカバリ タイプにする必要があります。つまり、通常は、ダーリントン トランジスタは 10 kHz 以上では使用できず、FET または何らかのタイプの高利得バイポーラ トランジスタが必要となります。
  •  通常は、可聴制御ノイズを防ぐために周波数を 15 kHz 未満にすることをお勧めします。これは特に静環境の用途において重要です。
 

印加電圧、リレー タイプの周波数応答、および周囲温度の変化 (これは L/R 比に影響を与えるため、結果的に周波数応答にも影響します) によっては、電圧、周波数、およびデューティー サイクルを目的の用途で想定される衝撃や振動に十分耐えられる程度にする必要があります。

 

すでに調査研究が済んだリレー製品群に関しては、TE 製品エンジニアリングからこの評価の詳細についてアドバイスを受けることができます。

 

以下に、ある特定のリレーにさまざまな周波数とデューティー サイクルでリレーを作動状態に保持するために必要な絶対最小値を与えた場合の、リレーの周波数応答とデューティー サイクル応答の典型的な例を示します。注意: 下記のサンプル グラフの値はあくまでも参考用であり、基になるリレー サンプルの数は 10 個だけです。これらの値を制御設計でそのまま使用しないでください。リレーの動作は衝撃、振動、コイル温度によっても影響を受け、用途によってはもっと高いデューティー サイクルが常に必要となります。ここでも、特にこれらのデータが存在するリレー製品群については、TE 製品エンジニアリングから詳細なアドバイスを得ることができます。

 

その他のパルス コイル方式:

その他にもさまざまなパルス コイル駆動スキーム (チャージポンプなど) がありますが、それらのほとんどは (四角形状ではなく) 指数関数的な荷電/放電波形を使用します。このような波形形状は、適切なコイル駆動を確保するための評価や制御が非常に難しくなります。こうした手法は、必ず慎重に評価したうえで使用してください。

図 3.

図 3.

コイル電圧のステップダウンとパルス幅変調 (PWM)

コイル電力の低減: (ラッチング リレーには適用されない)

 

制御電力の総消費量を低減し、温度上昇を抑えることは、多くの用途で望まれています。その 1 つの方法は、リレー コイルの消費電力を低減することです。DC コイル リレーでこれを実現するには、以下の 2 通りの方法があります。ただし、コイル電力を低減すると、リレー アーマチュアを吸着する力が低下し、リレーの衝撃および振動に対する耐性が低減する点に注意することが重要です。

 

同様に、衝撃や振動でリレーがアンラッチする場合、リレーは解放され、少なくとも最低限の動作電圧によって再び駆動されるまで作動しません。特に安全性が重視される用途においては、この状況に安全に対処できるように全体的な制御設計を行う必要があります。

 

こうした技術はすべて、アプリケーション ノート「優れたリレーおよびコンタクタ性能にきわめて重要な適切なコイル駆動」で定義されているリレーの「保持」電圧に依存しています。この「保持」パラメータは、通常は製造中に管理されず、データシートにも記載されていません。コイル電力の低減を実装する場合は、少なくとも TE 製品エンジニアリングにご相談ください。また、全体的な機能が予測可能で信頼できるものとなるように、「保持」電圧が制御される特殊なリレーを注文しなければならない場合もあります。

 

  • コイル電圧のステップダウン:

コイル電力を低減する 1 つの方法は、良好にフィルタリングされた 2 つの異なる電源を使用し、その両方をリレー コイル (通常は分離のためにダイオード OR 構成にする) と 2 つの異なる駆動手段に接続することです。これを実現する手段はいくつかありますが、最も一般的なものを以下に示します。

図 1.

図 1.

まず、(1) 2 つの電圧のうち高い方 (定格の「公称」コイル電圧以上) を少なくとも 100 ミリ秒間イネーブルにしてリレーを作動させ、リレーを安定させます。次に、(2) 低い方の電圧を少なくとも「保持」電圧以上の大きさでイネーブルにし、高い方の電圧駆動をディセーブルにして低い方の電圧でリレーを作動状態に保持します。  

 

リレーの「保持」電圧の低さと周囲温度の変化によっては、「保持」電圧を目的の用途で想定される衝撃や振動に十分耐えられる程度に高くして、アーマチュアを吸着し続ける必要があります。

 

すでに調査研究が済んだリレー製品群に関しては、TE 製品エンジニアリングからこの評価の詳細についてアドバイスを受けることができます。

 

• PWM (パルス幅変調)
コイル電力を低減するもう 1 つの方法は、パルス幅変調 (PWM) です。このスキームでは、まず少なくとも定格の「動作」電圧の初期 DC 電圧レベル (1) によって少なくとも 100 ミリ秒間リレー コイルを駆動した後、適切な周波数とリレーを作動状態に「保持」するデューティー サイクルで駆動トランジスタを「オフ」(2) および「オン」(3) に切り替えます。周波数応答とデューティー サイクル応答はリレー機構、コイル電圧、コイル電力、およびその他の要因によって変わるため、この実装は複雑になります。この制御設計段階では、必ず TE 製品エンジニアリングに相談してください。 

図 2.

図 2.

PWM に関する一般的なヒント: 

 

  • 「再循環ダイオード」は常に、電流を再循環させてリレーを作動状態に保持するために、リレー コイル全体で直接使用する必要があります。ツェナー ダイオードまたは抵抗器を再循環ループに含めないでください。そうすると、「オフ」期間に耐える力が低減します。
  •  特に周波数がおおよそ 10 kHz を超える場合は、スイッチング トランジスタをその周波数で確実に動作する定格にする必要があり、コイルのダイオードをショットキー タイプまたはファスト リカバリ タイプにする必要があります。つまり、通常は、ダーリントン トランジスタは 10 kHz 以上では使用できず、FET または何らかのタイプの高利得バイポーラ トランジスタが必要となります。
  •  通常は、可聴制御ノイズを防ぐために周波数を 15 kHz 未満にすることをお勧めします。これは特に静環境の用途において重要です。
 

印加電圧、リレー タイプの周波数応答、および周囲温度の変化 (これは L/R 比に影響を与えるため、結果的に周波数応答にも影響します) によっては、電圧、周波数、およびデューティー サイクルを目的の用途で想定される衝撃や振動に十分耐えられる程度にする必要があります。

 

すでに調査研究が済んだリレー製品群に関しては、TE 製品エンジニアリングからこの評価の詳細についてアドバイスを受けることができます。

 

以下に、ある特定のリレーにさまざまな周波数とデューティー サイクルでリレーを作動状態に保持するために必要な絶対最小値を与えた場合の、リレーの周波数応答とデューティー サイクル応答の典型的な例を示します。注意: 下記のサンプル グラフの値はあくまでも参考用であり、基になるリレー サンプルの数は 10 個だけです。これらの値を制御設計でそのまま使用しないでください。リレーの動作は衝撃、振動、コイル温度によっても影響を受け、用途によってはもっと高いデューティー サイクルが常に必要となります。ここでも、特にこれらのデータが存在するリレー製品群については、TE 製品エンジニアリングから詳細なアドバイスを得ることができます。

 

その他のパルス コイル方式:

その他にもさまざまなパルス コイル駆動スキーム (チャージポンプなど) がありますが、それらのほとんどは (四角形状ではなく) 指数関数的な荷電/放電波形を使用します。このような波形形状は、適切なコイル駆動を確保するための評価や制御が非常に難しくなります。こうした手法は、必ず慎重に評価したうえで使用してください。

図 3.

図 3.