より小さく軽い薄型のコンピューティング デバイスを前提として設計

個人でもビジネスでも、ネットワーク接続された世界にアクセスしたいという要求が世界中で高まっています。 このような要求は、人がどこで何をしようとしているかに関わりなく存在します。そのため、より高速な接続性を持ち、このようなアクセスを容易に行える新しい小型のデバイスが求められています。こうした特徴を持つデバイスの設計と開発は、相手先商標製造会社 (OEM) やコンポーネント製造業者に特有の難題をもたらしています。

 

TE Connectivity はこの開発の先頭に立ち、OEM がこれらの難題を解決できるように設計された相互接続ソリューションを生み出しています。この種の相互接続ソリューションの例としては、モジュール カードや拡張カードが挙げられます。これらのカードを使用すると、PC やノートパソコン、タブレット、ゲーム機などに、Wi-Fi、WWAN、Bluetooth、GPS、ソリッド ステート ストレージ ドライブ (SSD) といった機能をいくつでも追加できます。

 

PCI-SIG 業界標準グループが前世代の PCI Express ミニ カード コネクタから M.2 (次世代フォーム ファクタ、NGFF) コネクタへの移行を打ち出したのは自然な流れでした。OEM デバイス開発を取り巻く主要な特性をサポートするため、M.2 コネクタは速度と省スペースを考慮して設計されました。

高速化

M.2 コネクタは高速性に重点を置いて設計されており、PCI Express 3.0、USB 3.0、SATA 3.0 といった最新の業界仕様を満たすニーズをターゲットとしています。M.2 コネクタの高速性能を生み出す源は、コネクタの上下部分の最適化された端子設計にあります。信号はプリント基板 (PCB) の接続点 (図 1、2 の点 A) からモジュール カードの接続点 (図 1、2 の点 B) へ、またはその逆方向に流れます。PCIe ミニ カード コネクタの端子はスタンプ成形されており、端子をハウジング内に保持するために大きな金属部分 (図 1 の赤丸) が存在します。この大きな部分は A から B (または B から A) への直接の経路上にないため、「信号スタブ」と呼ばれます。この信号スタブが原因で、この部分の静電容量が増加してノイズ カップリングが生じ、高い周波数での端子性能が低下します。M.2 コネクタの端子 (図 2) はスタンプ & フォームド型であり、大きな信号スタブはありません。このより直接的な信号経路のおかげで、信号トレース全体の静電容量がはるかに良好になり、性能が向上します。

図 1: PCI Express ミニ カードの下部端子
図 1: PCI Express ミニ カードの下部端子
図 2: M.2 コネクタ 3.2H の下部端子
図 2: M.2 コネクタ 3.2H の下部端子

差動挿入損失を比較したグラフを見ると、PCIe ミニ カード コネクタは 6.75 GHz あたりで損失が -2 dB を超えているのに対し (図 3)、M.2 コネクタは 12 GHz 全体にわたって損失が -2 dB 以内に抑えられており (図 4)、PCIe 3.0、USB 3.0、SATA 3.0 の最新仕様を超える性能をサポートできる余力があります。

図 3: PCI Express ミニ カード コネクタの差動挿入損失 (85 Ω 時)

図 3: PCI Express ミニ カード コネクタの差動挿入損失 (85 Ω 時)

図 4: M.2 コネクタ 2.25H の差動挿入損失 (85 Ω 時)

図 4: M.2 コネクタ 2.25H の差動挿入損失 (85 Ω 時)

省スペース

M.2 コネクタは省スペースでもあります。M.2 コネクタのピッチは PCIe ミニ カード コネクタの 0.8 mm より狭い 0.5 mm で、PCB 上の占有面積を 20% 以上節約します。コネクタの高さも 4 mm から 2.25 mm に縮小されました (片面モジュール カードの場合)。両面モジュール カードの場合、M.2 コネクタの高さは 3.2 mm ですが、それでも PCIe ミニ カードの高さより 20% 減少しています。

表 1: ミニ カード コネクタと M.2 コネクタの比較

表 1: ミニ カード コネクタと M.2 コネクタの比較

TE Connectivity M.2 コネクタ設計の特徴のひとつは、3 ステップの傾斜挿入

プロセスです。このプロセス (図 5) により、PCIe ミニ カード コネクタと比較して 2 つの点が改良

されました。1 つ目は、モジュール カードのねじ留め付近の PCB 領域を有効に利用できるように

なったことです。モジュール カードを 25° の角度で挿入するため、このねじ留め部分の近くに今までよりも

背の高いコンポーネントを配置できます。これにより、OEM にとって設計の柔軟性が向上し、省スペースの可能性も

広がります。モジュール カードをマザー ボードと平行に挿入する場合、背の高いコンポーネントがあると

挿入経路の邪魔になる可能性があります。2 つ目は、作業員によるモジュール カードの挿入プロセス

です。挿入は手作業で行うため、作業員の手がマザーボードから高く離れていると、

誤ってマザーボード上のコンポーネントを損傷してしまう可能性が低く

なります。

 

M.2 コネクタの性能上の利点は既に測定可能ですが、M.2 コネクタ プラットフォーム用に設計されたモジュール カードの

市場はまだ初期の段階にあるため、M.2 コネクタの真の性能限界がはっきりするまではもうしばらく時間がかかる

可能性があります。モジュール カードの市場は発展と成長を続けており、

M.2 コネクタの性能は PCIe ミニ カード コネクタ プラットフォームを大きく上回ることが

期待されています。

 

M.2 コネクタは、TE Connectivity が消費者向け電子機器の接続市場をリードしていることを示す

もうひとつの例です。設計や製品エンジニアリングの専門知識をグローバルに保有し、

主要な顧客と揺るぎない関係を築き、さらには数多くの業界標準委員会にも参画している TE は、

今後も優れた小型化・高速ソリューションを開発して、ますます厳しさを増すお客様の要求に

お応えし続けます。

図 5: M.2 コネクタの 3 ステップの挿入プロセス

図 5: M.2 コネクタの 3 ステップの挿入プロセス

より小さく軽い薄型のコンピューティング デバイスを前提として設計

個人でもビジネスでも、ネットワーク接続された世界にアクセスしたいという要求が世界中で高まっています。 このような要求は、人がどこで何をしようとしているかに関わりなく存在します。そのため、より高速な接続性を持ち、このようなアクセスを容易に行える新しい小型のデバイスが求められています。こうした特徴を持つデバイスの設計と開発は、相手先商標製造会社 (OEM) やコンポーネント製造業者に特有の難題をもたらしています。

 

TE Connectivity はこの開発の先頭に立ち、OEM がこれらの難題を解決できるように設計された相互接続ソリューションを生み出しています。この種の相互接続ソリューションの例としては、モジュール カードや拡張カードが挙げられます。これらのカードを使用すると、PC やノートパソコン、タブレット、ゲーム機などに、Wi-Fi、WWAN、Bluetooth、GPS、ソリッド ステート ストレージ ドライブ (SSD) といった機能をいくつでも追加できます。

 

PCI-SIG 業界標準グループが前世代の PCI Express ミニ カード コネクタから M.2 (次世代フォーム ファクタ、NGFF) コネクタへの移行を打ち出したのは自然な流れでした。OEM デバイス開発を取り巻く主要な特性をサポートするため、M.2 コネクタは速度と省スペースを考慮して設計されました。

高速化

M.2 コネクタは高速性に重点を置いて設計されており、PCI Express 3.0、USB 3.0、SATA 3.0 といった最新の業界仕様を満たすニーズをターゲットとしています。M.2 コネクタの高速性能を生み出す源は、コネクタの上下部分の最適化された端子設計にあります。信号はプリント基板 (PCB) の接続点 (図 1、2 の点 A) からモジュール カードの接続点 (図 1、2 の点 B) へ、またはその逆方向に流れます。PCIe ミニ カード コネクタの端子はスタンプ成形されており、端子をハウジング内に保持するために大きな金属部分 (図 1 の赤丸) が存在します。この大きな部分は A から B (または B から A) への直接の経路上にないため、「信号スタブ」と呼ばれます。この信号スタブが原因で、この部分の静電容量が増加してノイズ カップリングが生じ、高い周波数での端子性能が低下します。M.2 コネクタの端子 (図 2) はスタンプ & フォームド型であり、大きな信号スタブはありません。このより直接的な信号経路のおかげで、信号トレース全体の静電容量がはるかに良好になり、性能が向上します。

図 1: PCI Express ミニ カードの下部端子
図 1: PCI Express ミニ カードの下部端子
図 2: M.2 コネクタ 3.2H の下部端子
図 2: M.2 コネクタ 3.2H の下部端子

差動挿入損失を比較したグラフを見ると、PCIe ミニ カード コネクタは 6.75 GHz あたりで損失が -2 dB を超えているのに対し (図 3)、M.2 コネクタは 12 GHz 全体にわたって損失が -2 dB 以内に抑えられており (図 4)、PCIe 3.0、USB 3.0、SATA 3.0 の最新仕様を超える性能をサポートできる余力があります。

図 3: PCI Express ミニ カード コネクタの差動挿入損失 (85 Ω 時)

図 3: PCI Express ミニ カード コネクタの差動挿入損失 (85 Ω 時)

図 4: M.2 コネクタ 2.25H の差動挿入損失 (85 Ω 時)

図 4: M.2 コネクタ 2.25H の差動挿入損失 (85 Ω 時)

省スペース

M.2 コネクタは省スペースでもあります。M.2 コネクタのピッチは PCIe ミニ カード コネクタの 0.8 mm より狭い 0.5 mm で、PCB 上の占有面積を 20% 以上節約します。コネクタの高さも 4 mm から 2.25 mm に縮小されました (片面モジュール カードの場合)。両面モジュール カードの場合、M.2 コネクタの高さは 3.2 mm ですが、それでも PCIe ミニ カードの高さより 20% 減少しています。

表 1: ミニ カード コネクタと M.2 コネクタの比較

表 1: ミニ カード コネクタと M.2 コネクタの比較

TE Connectivity M.2 コネクタ設計の特徴のひとつは、3 ステップの傾斜挿入

プロセスです。このプロセス (図 5) により、PCIe ミニ カード コネクタと比較して 2 つの点が改良

されました。1 つ目は、モジュール カードのねじ留め付近の PCB 領域を有効に利用できるように

なったことです。モジュール カードを 25° の角度で挿入するため、このねじ留め部分の近くに今までよりも

背の高いコンポーネントを配置できます。これにより、OEM にとって設計の柔軟性が向上し、省スペースの可能性も

広がります。モジュール カードをマザー ボードと平行に挿入する場合、背の高いコンポーネントがあると

挿入経路の邪魔になる可能性があります。2 つ目は、作業員によるモジュール カードの挿入プロセス

です。挿入は手作業で行うため、作業員の手がマザーボードから高く離れていると、

誤ってマザーボード上のコンポーネントを損傷してしまう可能性が低く

なります。

 

M.2 コネクタの性能上の利点は既に測定可能ですが、M.2 コネクタ プラットフォーム用に設計されたモジュール カードの

市場はまだ初期の段階にあるため、M.2 コネクタの真の性能限界がはっきりするまではもうしばらく時間がかかる

可能性があります。モジュール カードの市場は発展と成長を続けており、

M.2 コネクタの性能は PCIe ミニ カード コネクタ プラットフォームを大きく上回ることが

期待されています。

 

M.2 コネクタは、TE Connectivity が消費者向け電子機器の接続市場をリードしていることを示す

もうひとつの例です。設計や製品エンジニアリングの専門知識をグローバルに保有し、

主要な顧客と揺るぎない関係を築き、さらには数多くの業界標準委員会にも参画している TE は、

今後も優れた小型化・高速ソリューションを開発して、ますます厳しさを増すお客様の要求に

お応えし続けます。

図 5: M.2 コネクタの 3 ステップの挿入プロセス

図 5: M.2 コネクタの 3 ステップの挿入プロセス