水処理場の状況

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ウェット/高湿度環境用圧力センサの設計における勘どころ

ウェット/高湿度環境における圧力トランスデューサの稼動時間を延ばすための、さまざまな方法をご紹介します。

著者:

Karmjit Sidhu、Sensors for Oil and Gas 担当 Business Development Director

センサは複雑な技術から成り立っています。 大気を基準にして (通常、ベント基準またはゲージ基準と呼ばれる方式で) 低圧についての正確な測定を行うには、乾燥・湿潤・ウェット条件のいずれにおいても圧力センサの通気を確保することが必要です。高湿度環境およびウェット環境においては、装置の不具合の原因となる圧力センサ後端からの水の浸入を防止しながら、いかにセンサを動作させるかという難問が待ち受けています。水中に浸漬する場合もある用途においては、大気と水中との温度差によってポンピング作用が生じ、湿った空気が通気管路を通ってセンサ内部に入り込み、結露によって繊細な電子部品を故障させるなど、温度差が大きな影響を及ぼすおそれがあります。

「低圧」とは、硬度や気圧の変化の影響を受けることなく正確に測定を行うことが必要となる、500 PSI (35 bar) 以下を指します。 測定対象となる圧力範囲が上昇すればそれだけ、大気圧から受ける影響は小さくなります。5 PSI の圧力トランスデューサと 500 PSI の圧力トランスデューサで圧力を測定した場合、ダイアフラムに及ぼす効果はどちらも同じですが、大気圧による出力信号の変化は 5 PSI トランスデューサの方が 500 PSI トランスデューサよりも大きくなります。送水ポンプや、外部に露出した場所に圧力センサを取り付ける屋外用途においては、全体的精度にこだわるのでなければ、密閉型ゲージ圧センサまたは絶対圧センサを利用できます。たとえば、密閉型ゲージ圧センサを 150 PSI で動作する送水ポンプにおいて使用する場合、気温や周囲温度の変化によって 4 ~ 5 PSI の差が生じる可能性があります。2.5 ~ 3.5% の誤差であれば、システム全体にさほど影響を及ぼしませんが、これがあることでセンサをウェット環境から保護することができます。センサは密閉されているため、通気による浸水からも保護されています。

  1. センサの世界にようこそ

センサによって、私たちを取り巻く世界をもっと観察して伝えることができるようになります。センサが見ているものは、人々が想像していることと、実現可能なこととの違いなのかもしれません。

圧力トランスデューサの密閉方法には、エポキシ樹脂やポッティング樹脂を使用する方法などいろいろあります。 センサの導体部や回路に接触することが想定される場合、これら材料には非導電性の素材が使われます。電気接続部とセンサに溶接されるハウジングについては、外部環境から完全に密閉されているかを、ヘリウム漏れ試験・加圧・X 線検査のいずれかによって確認できます。ケーブルとコネクタはいずれも、圧力トランスデューサと同じ方法で取り付けます。防水型コード グリップの他に、IP 定格に対応したコネクタも取り付け可能です。たとえば、自動車用途においては、圧力センサに毎分 75 リットルの水を 3 分間噴射して、保護等級 IPX6K に該当するかの試験を行うよう求められる場合があります。車の洗浄を模したこの試験は、センサを高圧水流に長時間暴露させても、圧力センサが電気的短絡を起こさない程度の耐久性を備えているかを確認するために行われます。

Gore-Tex 製ベント プラグ・パッチ・フィルタが、高湿度環境でのベント式ゲージ センサの通気を可能にします。 ただし、水に浸漬された状態では通気ができません。Gore-Tex 製フィルタの孔は水滴よりかなり小さいものの、水蒸気分子に比べるとかなり大きなものです。物理的に損傷を加えない限りは、大変有用なプラグです。ただし、ウェット条件下に長期間暴露させた後で、外気温と内部温度の差によってポンピング現象が発生した場合には、下の図で示したように、水蒸気がセンサ内で凝結してしまう可能性があります。

センサのエンクロージャまたはハウジング表面で使用可能な、Gore-Tex 製パッチ。
センサのエンクロージャまたはハウジング表面で使用可能な、Gore-Tex 製パッチ。
一体型センサ コネクタ内に挿入して通気性を持たせることが可能な、Gore-Tex 製プラグ。
一体型センサ コネクタ内に挿入して通気性を持たせることが可能な、Gore-Tex 製プラグ。

センサの水中通気について理解しておくことは大切です。 水中用途においては、ソリューションは他の場合より簡単なものではなく、水中センサへの浸水を防止するにはケーブル ベントや特殊な終端技術の組み合わせが必要になります。ベント チューブは水中ケーブルの一部として機能します。このチューブは通常、乾燥した非腐食性ガスまたは空気を通す電気エンクロージャまたはジャンクション ボックス内部で終端させます。雨や水噴霧が直接当たらないよう、ある程度の保護を施した高湿度環境でケーブルを終端させている場所ならば、ベント チューブ端部に Gore-Tex 製通気ジャケットを取り付けできます。

ウェット/ウェット差動圧力センサ

軍事・航空宇宙・海洋プラットフォームおよびコンプレッサ ポンピング ステーションなど、厳しい要件が課される用途では、ウェット/ウェット差動圧力 (dP) センサを利用できます。ウェット/ウェット差動圧力センサには、P1 (高) および P2 (低) という 2 つのポートがあります。P2 を大気に開放した状態で、P1 では水柱 0 ~ 5 インチ (0 ~ 13 mbar) から数十 PSI という非常に低いゲージ圧を測定できます。ウェット/ウェット差動圧力センサの両側には一種の金属ダイアフラムが設けられ、媒体から遮蔽されているため、通気のために Gore-Tex やベント チューブを使用する必要はありません。P2 側の金属ダイアフラムは、水や液体の浸入から繊細な電子部品を保護します。差動圧力センサの価格低下に伴い、地上タンク・蒸気発生器・艦船および海洋用途においては、これらセンサの普及が進んでいます。