初期段階でエキスパートに関与させる

トレンド

初期段階でエキスパートに関与させる

OEM、特に高度に規制された医療デバイス市場の OEM が、設計プロセスの初期の段階で自社のサプライヤと提携することで、プロジェクトのエラーや遅延のリスクを減らすことができ、予定どおりに製品を市場に出せる可能性を高めることができます。

著者

Brian Ream、主要分野アプリケーション エンジニア、センサ

OEM (相手先商標製造会社) の直面する課題。 US FDA (米国食品医薬品局) および CE (European Conformity) からの規制により、医療デバイスの OEM は、設計へのインプットから最終的な検証と確認の試験まで、すべての設計サイクルでリスクベースの設計アプローチを使用することを要求されています。このプロセスを管理するにあたって、OEM は設計リスクの低減をサポートしてくれるサプライヤを見落しがちです。それは、センサ サプライヤです。このことは、革新的な独自の機能を備えた新しい医療デバイスの場合に起こりがちです。このようなケースでは、一部の OEM は外部のサプライヤと設計情報を共有するのを設計プロセスの後期まで嫌がります。医療 OEM のプロジェクト マネージャや設計者にとって、センサ サプライヤ、特に、そのサプライヤの擁する製品エキスパートは、新製品の開発で重要な役割を果たすことができます。これらのセンサ製品のエキスパートが製品の設計に最初から関与すると、設計チームが重要なリスクを回避するのに役立ちます。なぜなら、これらのエキスパートはセンサの性能について有効な知識を持っており、製品の改善に何年も深く関わっていることが多いからです。その製品に何ができて何ができないかを彼らは簡単に理解できるでしょう。 

これらのセンサのエキスパートが最初から製品の設計に関与すれば、設計チームが重要なリスクを回避するのに役立ちます。
cathedar 温度センサ

通常の製品寿命における設計で必要となる反復的な作業について考えれば、知識のこの深さは重要です。 設計の道筋は、コンセプトから調達、発売、収益確保までまっすぐに進むものでは決してありません。コンセプトの再考が必要となるさまざまな状況が進展していく中で、設計チームはベンダを見直したり新製品のリスクを見つけたりする必要があります。それも、迅速にです。設計の道筋は簡単に横道に入ります。そうすると、開発スケジュールが納入日に間に合わなくことは簡単に起こりますし、ひいては、当てにしている収入が遅れることになります。臨床テストのスケジュールや FDA や CE の規制への準拠の問題に対応する必要があることも考えると、早くから多くのエキスパートをプロセスに関与させることは、求められる目標を実現して納入日を守るために明らかに有利な戦略になります。

最高のエンジニアやプロジェクト プランナが関与していても、遅延はあらゆる新製品開発プロセスにつきものです。 初期段階で製品エキスパートが関係することによって、これらの遅延にすばやく対処することができます。以前のプロジェクトでマイクロプロセッサで制御された重要なプロセスに使用する温度制御センサを作成しましたが、そのときの OEM は当社のセンサのエキスパートをプロジェクトの後半に関与させました。当社にその製品の話が来る前に設計は完成していたのです。このことが原因で、プロジェクトの後半で問題が発生しました。当社のチームは、プロセッサの適切な性能を確保するための温度規制が不可欠だったため、この重要な工程に冗長性を与える手段として、デュアル センサを設計することにしました。当社のエンジニアは、デュアル NTC サーミスター設計の図面に基づき、当社で最も正確かつ安定性のある、ガラスに封止されたセンサを選択することにしました。このセンサは、マイクロプロセッサが必要とするすべての温度において±0.1°C の精度を達成しました。そして、応答を最速にするために非金属の断熱ハウジングに組み込まれてマイクロプロセッサ近くの気流に晒されました。図面では、コネクタなしのフライング リードが必要とされていました。当社の図面にはあらゆることが明確に文書化されています。

  1. ビデオ: 医療用デバイス接続
    ソリューション (英語)

革新的なコネクティビティ ソリューションにより、医療を取り巻く環境を変えていきます。TE の高度な技術とエンジニアリングの専門知識により、設計上の課題を解決し、市場をリードする次世代の製品を生み出していきます。高い性能を目指しお客様のニーズに合わせカスタマイズすることが、お客様のアイディアを形にする上で当社がいかに重要なのか動画にしました。ぜひご覧ください。

そして、当社は FAI (初回品検査) センサの製造に成功し、お客様に納入しました。 お客様から電話があったのは、彼らの機器が最初の実動ビルドにおいて高い割合で不具合を起こしたときでした。この製品の販売が危うくなったのです。調査によって、当社がフライング リードと一緒に納入した製品はアセンブリのために海外に送られており、統合コネクタに成形されたシールド ケーブルを利用したアセンブリになっていることがわかりました。そのケーブル取り付け工程で、ガラスのセンサが物理的に損傷を受けており、そのため許容範囲を大幅に超える温度が測定されていました。そのお客様のところに伺っているとき、FA/CA (故障解析 / 是正処置) 部門にも伺いましたが、上級設計技術者の 1 人がこの損傷の発生した理由を知りたがっていました。当社のチームは、これはこのガラスのセンサや他の部品の本来の脆弱性が原因ではないという説明をしました。そうではなく、最終的な使用形態の決定に当社が関与していなかったこと、その結果、生じうる設計上の問題を知らされていなかったことが原因だったのです。このミーティングで得た情報を元に、センサを再設計して保護ハウジングに格納し、ケーブルとコネクタを当社のアセンブリに直接組み込むことができました。その後、このアセンブリには完全なテストが実施され、必要とされる ±0.1°C の許容範囲を実現することが検証されました。プロジェクトの当初から当社の製品エキスパートが関与しなかったことで、やり直しが必要になってプロジェクトの完了が 2 か月も遅延し、製品の市場投入も遅れることになりました当社の製品エキスパートが初期の設計段階から関与していれば、この遅延や製品廃棄コストは回避することができたでしょう。

標準的なあらゆる医療センサ製品と同様に、既存の仕様が新製品の設計要件を満たさないことがあります。 これらの仕様をより早く知ることができれば、必要な製品のサプライヤによる開発がそれだけ容易になります。TE では、エンジニアがお客様と密接に協力し、お客様の製品要件を明確にして、その仕様に合わせて製品をカスタマイズします。「Same as Except」 (一部以外は同じ) 製品を利用して、標準的な既存のプラットホームを少しだけ修正して導入することができます。これには、最小限の NRE (非反復技術) およびボリューム契約が必要になります。このクラスの製品は、設計の検証と確認のプロセスも効率化します。なぜなら、ほとんどの製品仕様は、当社で検証済みの標準的な既存の製品プラットホームと変わるところがないからです。標準的な製品、または「Same as Except」 (一部以外は同じ) 製品が設計に独特の性能要件を満たさないことがあります。このような場合は、当社のエンジニアは、ECE (優れたカスタマー体験) を実現する企業努力の一環として、お客様とチームを組んでその独自の設計要件に合わせた特別なソリューションを開発します。この種のプロジェクトでは、双方の利益を保護しつつ重要な設計アイディアの交換を可能にするために、まず、NDA (相互秘密保持契約) を結びます。当社の仕事では、特に医療製品の独特な性能要件に合わせて設計されるセンサ製品の場合は、高いレベルの NRE とボリューム契約になるのがふつうです。このような場合、当社の型番はお客様の製品だけのものであり、完全にお客様の専有するものと見なされます。

電気システムの提供するソリューションが特に重要な要素になっている場合は、初期の段階で各サプライヤの製品エキスパートとチームを組むことが OEM にとってますます重要になっています。
フォト光センサ

早めの共同作業で、よりよい成果を得られます。 OEM、特に高度に規制された医療デバイス市場の OEM が、設計プロセスの初期の段階で自社のサプライヤと提携することで、エラーや遅延のリスクを減らすことができ、予定どおりに製品を市場に出せる可能性を高めることができます。製品設計のハードルが上がる中で、IEC 60101-1 などの規格に対する改訂に照らして、特に電気システムの提供するソリューションが重要な要素である場合は、OEM が初期の段階で各サプライヤの製品エキスパートとチームを組むことがますます重要になっています。