モビリティ革命:コネクテッドビークル

トレンド

モビリティ革命

現代の自動車が発明されて以来、基本的な機能と形状は本質的に変わっていない。しかし、車が動作する環境や、運転体験を改善または向上するために自動車に接続するデータは劇的に変化している。

コネクテッドカーは最初のフォードT型と同じくらい大幅に自動車業界を刷新する力がある。 コネクテッドカーの革命の含意とその成長展望は非常に肯定的である。IHSオートモーティブはコネクテッドカーの販売は2020年*1までに全世界で6倍に増加すると予測する。ガートナーによると、2020年までに2.5億台のコネクテッドカーが街を走り、「コネクテッドカーはモノのインターネット(IoT)の重要な要素となる」*2という。その一方で、インターネット接続と車内外の多くの情報源と情報を共有できるセンサー機能を搭載したコネクテッドカーが予想通り豊富な機能を備えるようになり、その信頼性が高まれば、自動車メーカーやOEMは接続を可能にする高品質のコネクターやセンサーを開発しなければならない。特に車内外の情報のやりとりが増えた場合にそのようなコネクターやセンサーが必要となる。例えば、車内センサーは車がいつどのように動作するかを制御するためのフィードバックを提供する。車の動作には制動、操舵、スロットル制御から警告、ルート案内まで含まれる。車外センサーは情報の感知・伝送、位置・速度・燃料レベルの確認、診断機能やその他豊富な機能を提供する。TE Connectivity社(TE)は、コネクテッドカー市場で主導的な役割を担いたいと考えている自動車メーカーを成功に導くために適した立場にある。  

コネクテッドカーのトレンドを牽引するものは何か?安全性、環境、生活様式。

安全性

車はすばらしい発明である一方、安全に運転しないと危険な物でもある。全世界で毎年100万人以上が自動車事故で亡くなっている。自動車事故は10歳~24歳*3の死亡原因のトップである。高速道路交通安全局(NHTSA)によると2013年の米国における自動車事故による負傷者は230万人以上である。*4

50年前に比べると車の安全性はかなり向上したものの、ドライバーと安全の連続性との結びつきはいまだに弱い。研究によると事故の90%は人為的なミスが原因だという。自動車の安全性を司る米連邦政府機関は、スマートカーによって自動車事故による死傷者を減少できると認知している。NHTSAと共同して各国で作成された衝突安全性評価は、乗車者の衝突に対する安全性を測定し、現在はドライバーが衝突を避けやすい車を製造する方法として高度ドライバー補助システム(ADAS)技術に着目している。  

自動運転の進化

5つの自動化レベル

2013年、米国運輸省の高速道路交通安全局(NHTSA)は、5つの自動化レベルに関する方針を発表した。*5

自動化なし(レベル0)

「ドライバーが常に制動・操舵・スロットル・駆動力 などの主制御系統の操作をすべて単独で行う。」

特定機能の自動化(レベル1)

「自動化レベル1では、1つ以上の特定の制御機能を自動的に行う。横滑り防止装置や、車が自動的に制動を補助して、車の制御をドライバーに切り替えたり、ドライバーが単独で行うよりも早くブレーキをかけたりできる充電制動等がこれに該当する。」

複合機能の自動化(レベル2)

「主制御機能のうち2つ以上をドライバーに代わって調和して自動的に行う。レベル2の複合機能の例としては、中央走行と組み合わせたアダプティブクルーズコントロールが挙げられる。」

半自動運転(レベル3)

「自動化レベル3では、特定の交通条件または環境条件においては、安全に関わる重要な機能の全制御をドライバーに切り替えることができる。かかる条件においてドライバー制御への切り替えが必要となるような変化の監視はシステムに大いに依存している。ドライバーによる制御が必要な場合もあるが、自動運転を楽しむ時間も十分にある。半自動運転の例としてはグーグルカーが挙げられる。」

完全自動運転(レベル4)

「走行中、安全に関わる運転機能の操作と道路状況の監視をすべて車に委ねる。ドライバーは目的地やナビゲーションの入力を行う必要があるが、走行中の操作は必要ない。有人、無人の両方がある。」

環境

安全性に関しては、自動車メーカーが政府規制当局と協同して、車が排出する汚染物質の削減において大きく前進した。現在自動車業界では車の重量、燃料消費量、電気効率の改善に着目し、2020年までに温室効果ガスの排出を削減する取り組みを行っている。しかし、非効率な運転マナーや交通渋滞は、環境に優しい車の開発を目指す取り組みに対して逆効果を招く。車の性能や運転する環境の両方のデータを意識することによってより良い運転マナーにつながる。交通の遅れや混雑は二酸化炭素(CO2)の排出を増やし、コストを押し上げ、汚染対策にかかる費用を増やす原因となる。欧州連合では交通渋滞のために年間800億ユーロが費やされている。*6

自動車メーカーはCO2排出量削減要求に注意を払っている。欧州連合では2021年までにあらゆる車種で達成すべき1km当たりCO2排出量の加重平均を95グラムとしている。*7 この目標値は2007年の加重平均から40%マイナスとなっている。*8 コネクテッドカーと環境に優しい車の重要な関連性は、A地点からB地点へのより効率的な経路である。インフラを含め、より多くの車がインターネットに接続するようになれば、交通において(交通以外でも)待つ時間が少なくなり、必要とする燃料は少なくなる(そして汚染量も減少する)。例えば、技術によって経路最適化を支援し、交通の遅延やアイドリングを避けることができる。  

生活様式

カフェ、ホテル、自宅、会社などあらゆる場所でインターネット接続に慣れ親しんでいる消費者は、路上や車中でインターネットアクセスを利用できないという状況は受け入れ難い。消費者が大規模なインターネット環境を自宅に導入した場合、例えば、データを共有し、アプリで制御可能なサーモスタットと台所器具を導入した場合、車でも同様の利便性とアクセスを利用したいと考えるだけでなく、インターネットに接続された自宅とコネクテッドカーを同期することを期待する。このような消費者は携帯端末に慣れ親しんでおり、インターネット接続やデータアクセスに関して携帯端末に依存している。彼らは同様の機能を車にも求めている。

おそらくコネクテッドカーが増えれば増えるほど、ドライバーはより効果的に運転できるようになり、危険もうまく避けられるようになるだろう。例えば、インターネットにアクセスできればドライバーは天気や交通状況などの情報を入手し、渋滞を避け、天候に問題があればより安全な経路を選ぶことができる。車の消費者は、交通、経路、相乗り、次のガソリンスタンドまたは充電スタンドまで何マイルかなどに関するより正確な情報にアクセスするためのツールを求めている。  

自動車メーカーが車内技術へとリソースをシフトするには、上記のあらゆる市場のドライバーに着目しなくてはならない。安全性、環境要件、生活様式に関する期待。
これらの要件を満たすには、ハードウェア、ソフトウェア、コネクティビティ、センサーソリューションのより複雑な連結が必要となる。以下に例を挙げる。

 

  • 堅牢で信頼性の高いコネクティビティとセンサー技術
  • 核となるコネクティビティ – 重要かつ途切れない電力信号とデータ
  • 激しい寒暖差や荒涼地における振動などの過酷な環境において信頼できる性能
  • 小型化 – 非常に小型かつ軽量なユニット部品
  • 効果的、安全、効率的な電源管理
  • 消費者がコネクテッドホームに期待するより高速なデータ伝送
  • 性能改善の検知と監視

安全のための接続

自動化のレベルアップは、あらゆる車内システムのネットワークへの接続とセンサーに対するニーズが高まっていることを意味している。この分野における革新者は以下に挙げるようなADASを支援する技術で新規事業を開拓し続けている。

  • 道路の視認性を高めるヘッドライト
  • 自動的にブレーキをかける衝突防止システム
  • 受動的安全性から能動的安全性、警告システムから防止システムへ重点を移行
  • 縦列駐車とシャーシ制御の進化 - 完全自動制御用のセンサーソリューションが必要

 

消費者が車からリアルタイムデータにアクセスすることを強く要求しているため、自動車メーカーと技術提供会社はデータ速度とデータアクセスを保証する必要がある。例えば、応答を必要とする信号が伝送された場合、車は即座に応答を返さなければならない。システムはリセットや遅れを許さず、応答時間はほんの一瞬でなければならない。コネクテッドカーシステムに対する信頼を得るためには、振動の大きい条件下で毎秒1ギガバイトの情報を伝送できなければならない。
またコネクテッドカーは安全性に貢献するために、車載電子機器とインフラ(V2I)または付近の車(V2V)との間で、WLANまたは移動体通信チャネルを介して補足情報を共有する必要がある。これによってADASの決定信頼レベルが向上する。

コネクテッドカーはドライバーと同乗者の安全をより高めることができる。例えば、車内温度が上昇した車内に子供が誤って閉じ込められてしまった場合、コネクテッドカーは警報を鳴らすことができる。事故またはその他の危険な状況に陥った場合、パニックアラームを鳴らすことができる。または車があらかじめ設定した領域を超えてしまった場合(子供が親の車を運転している場合など)、車の所有者にメッセージを送る地理的制限オプションを搭載できる。

環境保護のための接続

規制当局と科学者は以下の見解について同意している。もし私たちが大気環境の改善に取り組むのであれば、運転効率を改善する必要がある。つまり車の走行時間を減らす方法を考え、効果的に運転できるように燃料を減らすことだ。

例えば、都市部を走っている車の25%が単に駐車スペースを探しているだけだと推定されている。駐車場の空き情報をナビゲーションシステムに組み込めば、ドライバーはより早く駐車でき、エンジンを切ることができる。さらに、電源管理技術と新しいアーキテクチャによっても効率を改善できる。このようなシステムはすべて閉回路制御であり、センサーを必要とする。

先進的な生産技術も環境に配慮した運転につながる。車の重量は使用する材料を軽量化したり、少なくしたりすることによって減らすことができる。これにより燃料効率を高め、CO2排出量を減らすことができる。車の材料を減らす方策の1つは、構成部品を小型化することである。さらに車にアルミニウムとコネクティビティソリューションを使用することによっても重量を減らすことができる。

自動車メーカーが軽量化を進めるにあたり、車のボディー、駆動方式、シャーシ、車載電気システムなどの分野に十分に配慮しなければならない。高温かつ振動が発生する道路では、改善された革新的な端末とコネクターシステムが必要となる。  

将来のコネクテッドカーに搭載する技術や性能が準備され(そして進化を続けている)一方、このエコシステムにおける他の要素にも取り組まなければならない。

  • セキュリティとプライバシー:車内のアプリケーションやその他のシステムのデータをWi-Fiやコネクテッドホームシステムとやりとりするには、データをどのように保護するかという問題が生じる。OEMと自動車メーカーは接続する装置や機器のハッキングに対する脆弱性を弱め、保護対策を取らなければならない。
  • インターネットアクセス:国をまたいだデータアクセスに関する信頼性が明確でなく、国によって規制が異なるため、現時点では限界がある。米国、ブラジル、日本、韓国、または中国などの国にとっては(車が国外に出る可能性が低いため)あまり関係ないかもしれないが、地理的に比較的狭い地域に多くの国が存在するヨーロッパのような地域では問題となる。
  • インフラストラクチャ:道路が劣化している場合は、安全で燃料効率の高い車を開発する意味はあまりない。交通管理の取り組みは、道路に対する投資も考慮に入れる必要がある。
  • 自動運転の受け入れ:自動運転車の考えを受け入れるために、消費者は自分たちで運転するよりも自動運転のほうが安全だという保証がほしい。自動車メーカーは自動運転車の運転がほぼ100%信頼できることを証明しなければならない。
  • 経済面:コネクテッドカーの進化は、車の買い手にとって経済的な観点から納得できるものでなければならない。さもなければコネクテッドカーは選ばれた少数のための贅沢な発明と見なされてしまう。コネクティビティは手頃な価格であるべきである。業界標準の構成部品を使用することによって手頃な価格の実現を促進する。
  1. 安全で環境に優しくスマートなコネックテッド カー (英語)

お客様と協力して、排ガスの抑制に TE がどのように取り組んでいるかを Marcus Schulte がご説明します。その一例は、ディーゼル エンジンによる温室効果ガス発生量を削減する浄化システムの品質と尿素濃度を測定するために開発されたセンサです。

OEMがコネクテッドカーの革新のためにどのような技術を選んだとしても、TEはOEMと協力してOEMのニーズに対応する。コネクティビティとセンサーを提供する世界有数の企業としてTEは、顧客が事業構想をスマートで優れた革新的なソリューションへと転換する手助けをする。

TEはコネクテッドカーシステムの開発におけるパートナーであり、車の進化において革新を推進するために設計工程という早い段階から顧客との協同を開始する。TEの製品は、代替電力システムからインフォテイメントからセンサー技術まで、車のほとんどすべての電気系統機能に接続可能である。さらにTEのソリューションによって、自動車業界で発生する課題や要件を満たすことができる。

  • データコネクティビティ:同軸、シールド、光学、ワイヤレス媒体にもとづいた技術。
  • 電力・データ配信:接続・切り替え・保護・検出機能による信頼性の高い伝送。
  • 検知:位置、圧力、速度、温度、湿度、流体品質を測定するデータ駆動型技術。
  • 小型化による軽量化:TE NanosおよびMCON 0.50相互接続システムは、電子構成部品の小型化、ワイヤの細径化、トータルコネクタパッケージの小型化を可能にする。
  • 銅からアルミニウムへの変更による軽量化:標準的なファミリー向け乗用車の場合、アルミニウム導線への変更とTEのLITEALUMクリンプによって、2~3kg重量を減らすことができる。これにより安い材料費で車の重量を下げることができる。
  • 信頼性と経験:過去数十年にわたり、TEは世界中のOEMに対して、増大する技術要件に適合しつつ、より安全でスマートな車を開発するための電気的アーキテクチャのニーズに対してサポートを提供してきた。

これらの機能と性能はすべて、車の耐用期間における振動や温度変化を含めた過酷な環境での使用を前提としている。

高い感度 - 車内データ

同乗者を安全かつ効率的に運ぶために車はデータを必要とする。今日の車は、車内外の状況変化を感知し反応することができる。TEのセンサーは、安全性・快適性・効率性を高める車の機能の制御、適合、応答用のデータを提供する手助けをする。TEのセンサーは、厳しい仕様で設計・作成され、しばしば顧客専用に特注生産される場合もある。顧客と一緒に、新しい独創的な方法で今日最大のアプリケーションの課題の解決に取り組んでいる。

TEは自動車用アプリケーション向けに、位置、速度、湿度(車室、エンジン空気取り入れ口)から圧力(ブレーキHPS、尿素)や温度などすべてを測定するセンサーなど様々なセンサーを提供している。例えば、性能を改善したり、エネルギー消費量を削減したり、温度が性能に影響する環境における安全性を向上したりするための湿度センサーを幅広く提供している。TEの流体特性センサーは、エンジン、燃料系統、選択接触還元法(SCR)、コンプレッサ、トランスミッション、ギアボックス、ディーゼル排出流体つまりDEF(尿素)、その他多くのアプリケーションに対して流体のリアルタイム監視を行う。高性能尿素品質センサーは、尿素濃度センサー(DEFセンサー)でもあり、窒素酸化物排出規制および順守戦略の不可欠要素として使用されている。  

現在のクルマには。

現在のクルマには、周辺環境の変化をセンシングして応答することが可能です。そのためにTEのセンサが役立っており、安全・快適・効率性向上のためにクルマの制御・調節・応答のためのデータを提供しています。

TEは自動車業界が必要とする製品に他の業界の技術を適合させることに長けている。例えば、消費者からBluetoothやWi-Fiを車内でも利用したいという要求があれば、TEは通信事業を強化する。もし自動車メーカーが密封性に関する難しい課題に直面した場合、TEは、地球上で最も過酷な環境のひとつに対する高信頼ネットワークの設計、製造、設置における無比の体験と知識を提供するソリューションのためにSubComチーム/事業を強化する。

TEはコネクティビティとセンサーを専門にしており、多くの業界に携わっている。ある業界で発生した新しい問題が別の業界ではすでに解決済みということはよくある。「TEの力」を強化して、多数の業界における経験とソリューションを自動車業界の顧客に提供する。このことは顧客にとって重要な利点である。このような内部提携によってソリューションの提供を早め、顧客に対してより大きな革新と価値を提供する。

TEは以下に示すような核となるコネクティビティの基礎に特化したR&Dを設置し、将来のコネクテッドカー技術に対する投資を行っている。

  • 大きな電力:アーク放電防止機能・緊急停止機能付きの高電圧接続
  • 継電器・回路保護
  • 付加機能、装置、電力需要に対応するための新しいアーキテクチャ
  • 急激に増加する車内外のデータ量を途切れることなく処理する大容量かつ高速データパイプ
  • 光学データパイプ(光ファイバー)
  • 電導性のデータパイプ(イーサネット)
  • ワイヤレスデータパイプ(Wi-Fi、Bluetooth、4G/LTE、専用短距離通信用のアンテナ)
  • 閉回路制御に対する増大する要求を満たすためのセンサーからの情報

革新への取り組み

TEは、OEMがコネクテッドカーの世界に革新をもたらすコネクティビティとセンサーソリューション、つまり小型かつ軽量でこれまでにない過酷な環境において高信頼の性能を提供する製品の提供に取り組んでいる。TEはOEMが必要とするコネクテッドカー向けソリューションを実現するために、先端材料、接触物理学、小型化、新しい電力、データアーキテクチャを利用している。